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【どう見るこの相場】苦節10年半まさかまさかの大復活!!大幸薬品を株式分割銘柄が追随高期待
まさかまさかである。防疫関連株の一角に位置するに過ぎなかった脇役が、主役に躍り出た。大幸薬品<4574>(東1)である。今年2月10日に同社が発表した今2020年3月期の上方修正と増配、株式分割がスプリングボードとなった。昨年12月以降の中国湖北省・武漢市を発生源とする新型コロナウイルスの感染拡大では、マスクや防護服などを取り扱う防疫関連株が逆行高し、リード役の川本産業<3604>(東1)と中京医薬品<4558>(JQS)は、連続のストップ高を演じ今年1月の月間値上がり率ランキングの第1位、2位に躍進した。大幸薬品も関連株人気で28%高したものの、同ランキングでは第48位とやや後塵を拝していた。
それが2月10日以降、この差を縮め逆転模様なのだ。祝日明けの12日のストップ高も含めて2日間で約1400円高し5230円まで買い進まれ、2009年8月につけた株式分割を勘案した実質の上場来高値4830円を10年半ぶりに更新した。川本産業も、前週の週間上昇率が、大幸薬品を約7ポイントほど上回ったが、株価水準としては今年2月3日つけた上場来高値4000円を約1700円下回る水準に過ぎない。米国市場では、新型肺炎の日々の感染者が減少しているなどとして主要株価3指数が揃って最高値を更新するのを見せつけられれば、トップ引きの銘柄にはそれだけ利益確定売りや戻り売りが上値圧迫要因となった結果だろう。
ということは、大幸薬品の株価ジャンプは、業績上方修正の要因となった除菌消毒剤「クレベリン」の関連特需の発生もさることながら、増配、株式分割の側面支援材料が揃っていたことが大きかったということになる。ところでこの大幸薬品は、前科があるといっては言い過ぎとなるが、飛んだ災厄を被った過去がある。ベテラン投資家なら記憶の残っているはずだが、話は10年以上前、2009年にさかのぼる。
この年は、大幸薬品にとって記念すべき年になった。3月に東証第2部市場に新規株式公開し、株式分割(1株を3株に分割、基準日2009年7月31日)を発表し、2回も業績を上方修正し特別配当の増配も実施した。この業績上方修正は、2009年春頃から2010年3月にかけ世界で1万4286人の死者が発生した豚インフルエンザのパンデミック(感染爆発)に伴い「クレベリン」の特需が拡大したことが要因となった。株価は、株式分割の権利取りで6990円の上場来高値をつけ、分割権利落ち後も4830円と買い直されて実質の最高値更新となった。翌2010年4月には、目出度く東証第1部にも昇格した。
ところがである。あろうこことか、翌年の2010年3月に2回も上方修正したその業績を一転して下方修正したのである。特需発生に沸き立っていたその「クレベリン」の流通在庫が、豚インフルエンザの収束とともに積み上がり、卸売業者や小売店からの返品がかさんだことが要因となった。この流通在庫の調整は手間取り、次期業績も、期中の売り上げより返品金額が上回って今度は2回も下方修正し2011年3月期には赤字転落してしまった。株価は、2012年5月の592円まで長期・大幅調整を余儀なくされた。だから、今回の実質最高値更新は、長い長い苦節10年半を経ての大復活となる。
昔語りが長引いた。ここからが本題である。大幸薬品の10年半ぶりの実質最高値更新が、10年半前の災厄の再来となるかどうかは、何といっても今回の新型コロナウイルスの感染拡大動向にかかっている。国内では、初めて新型コロナウイルスにより死者が確認され、感染経路を特定できずに感染が広域化する市中感染さえ懸念されており、米国市場のように中国当局の感染者数や死者数の発表を素直に鵜呑みにして、感染拡大がペースダウンしたと楽観視するにはとまどいがある。
また仮に感染拡大が早期に収束するとしても、大幸薬品には今期配当の増配、株式分割の株価を側面支援する材料は不変である。そこでである。大幸薬品の強調展開が続けとすれば、株式分割にプラスアルファのある銘柄は、高値追いが期待できるはずである。現に2月12日に株式分割と増配、自己株式取得を発表したシステムサポート<4396>(東1)は、翌日の13日にストップ高した。第2の大幸薬品、システムサポートを期待して株式分割会社へのアプローチは一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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