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高級ブランドのビットコイン決済採用で、仮想通貨にさらなる追い風か?
●高級ブランドが続々ビットコイン決済を開始
米大統領選でのトランプ氏勝利以来、上昇を続けるビットコインを始めとする仮想通貨だが、2025年はさらなる上昇になるかもしれない。
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なぜなら、これまでごく一部に限られていた高級ブランドでのビットコイン決済が、続々と導入されることになりそうだからだ。
仏高級百貨店プランタンが、暗号通貨交換所バイナンス、仏金融テクノロジー企業Lyziと提携し、フランス国内の店舗でビットコインやイーサリアムを受け入れると発表した。
ロイター通信によると、高級ライター・万年筆メーカーのエス・テー・デュポンも、パリ2店舗で暗号資産決算を開始する予定だと述べ、クルーズ船運営のヴァージン・ボヤージもビットコイン支払い可能な商品を発売する。
これまで仮想通貨は高リスクで値動きが激しいことなどから、決済などの実世界に不向きと見られていたが、トランプ氏の当選で一気に実用化・定着化が加速するのだろうか?
●トランプ氏勝利からのビットコイン!すでに実験的に導入の企業も
米大統領選でトランプ氏が勝利を収めて以来、ビットコインは1カ月余りで40%以上の上昇を見せた。
12月4日には、米証券取引委員(SEC)次期委員長に、仮想通貨(暗号資産)に慎重派とされる現在のゲンスラー氏に代わり、仮想通貨推進派のアトキンス氏が起用されることが発表されたことで、史上初の1ビットコイン=10万ドルを突破した。
仏ケリング傘下のグッチは、トランプ氏勝利の前の2022年から10種類の仮想通貨での購入を可能にしており、仏LVMHの時計ブランドのウブロやタグ・ホイヤーなど一部の高級ブランドは、試験的に導入していた。
●背景にある危機感
世界的な景気減速から、高級ブランドは不況に陥っている。昨年後半から仏LVMHなどの株かも低迷している。
そんな中、過去最高値を更新し続けるビットコインなどの仮想通貨を無視するわけにはいかない。
仮想通貨に興味のない既存の高齢富裕層の顧客ではなく、仮想通貨の投資先を探している若年層の富裕層を新たな顧客として囲い込みたい思惑もあるだろう。
米国政府のビットコイン保有も検討されており、益々ビットコインが存在感を増すことは間違いない。
しかしビットコインが再び暴落した時、各企業がどのような扱いをするのかも、注意深く見守る必要があるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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