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品質保証は「真心」の問題 新幹線台車の亀裂事故 専門家の再教育こそ必要 (2/2)
厳密に言えば、図面の寸法そのものを疑ってかかる必要があるのが、こうした製品の特性だ。図面があって各部の寸法が記入されていても、どこを基準として寸法を決めていくのか?どちら側から溶接していくのか?その他あらゆることが職人の判断で決められていく。
【前回は】品質保証は「真心」の問題 新幹線台車の亀裂事故 専門家の再教育こそ必要 (1/2)
そのため、「新幹線台車」のようなサブアセンブリの部品の場合、寸法の狂いが出たときにどこを調整して必要な部分の寸法を守るのか?どの部分は図面に記入されている寸法が無意味なものなのか?など、職人が判断して調整することとなる。
「新幹線台車」の場合、製品を不良品としてしまうことが出来ないので、やってはならない寸法調整をしてしまったことになる。
だから、管理者が職人に仕事を任せる前提として、職人の【良い製品を造ろう】という意欲を高めることが必要となるのだ。誇りを持って「自分の持てる技術を動員しよう」との気持ちを持たせることが大事だ。
そのため、腕のある職人と心を割って付き合ってみると、【人間性豊かで、幅広い知識を持ち、前向きに他人に対している人物像】が見えてくることがある。つまり「真心」を持った人物であるのだ。
逆に言えば、人当たりが悪くても、その人間性が職人としての条件であるのだ。腕のある管理者とは、「職人の人格を見抜く能力が高い人物」と言える。
品質管理の極意は、「人間の心を前向きにすること」と言える。決して「命令」などで出来るものではない。それにはトヨタの「カイゼン」の歴史を勉強することだ。
「現場に命令する姿勢」ではなく、「仕事に前向きに取り組める環境整備」こそが製造の基礎となることを、品質管理の専門家に教えることが最優先課題である。そのため、品質管理の専門家の再教育が最優先課題だ。
そして経営者の姿勢として、職人が前向きに取り組む姿勢が取れるよう働く環境を作り出す責任がある。また、その意欲を持てないと見た人材に仕事をさせてはならない。つまり、それぞれの立場の責任があるのだ。「現場の管理が不行き届き」として、経営者が責任を逃れるのでは解決しない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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