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障害者就労の後押しをする:ココルポートの施策に注目したい
注目していた新規上場企業が期待通りの展開を示してくれると、1株も持っていなくても嬉しいものだ。ココルポート(9346、東証グロース)。就労移行や技術支援などの、障害者福祉事業を1都3県(千葉・埼玉・神奈川)中心に展開している。
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障害者数は「増加傾向」にあり、内閣府の「2023年度版障害者白書」によると1160万2000名に及んでいる。
雇用機会の積極的な創出は、大きな社会的な課題だ。いわゆる法定雇用率は段階的に引き上げられ、2021年3月末には2.3%(2018年には精神的障害者雇用も加わった)となった。厚労省の「2022年 障害者雇用状況の集計結果」でも民間企業の雇用障害者数「61万3958名」、実雇用率「2.25%」ともに過去最高を更新している。
着実に進んでいる・・・としたい。が実雇用率2.25%は、法定雇用率2.3%に及んでいない。法定雇用率は今年4月に2.5%に引き上げられた。26年7月には2.7%に引き上げられる。
それだけに企業は、障害者雇用の一段の積極姿勢が求められる。そしてそれを実現するためには、障害者の雇用を後押しする存在が求められる。ココルポートはその一翼を担う1社といえる。
ココルポートの就労移行支援拠点数は20年6月末の48から、前24年6月期末で94に増加している。自立訓練(生活訓練)拠点数は、2から31に整備が進んでいる。ちなみに前24年6月期の利用者数の総数は、前年度比10%増の2388名。
就労支援/自立支援に対し適宜な施策が執られているかは、対象者の定着率に見て取ることもできる。20年6月期から前6月期に至る推移は、「89.4%/89・7%/88.2%/87.0%/90.0%」。
収益動向にそうした状況は、反映されてもいる。2023年3月上場直後の23年6月期は「21.7%増収、61.0%営業増益」。前24年6月期は「13.1%増収、15.0%営業増益」。そして今6月期は「14.6%の増収(65億9200万円)、11.9%の営業増益(7億8800万円)、(44円の)配当開始」計画で立ち上がった。
昨年3月31日の初値は4135円。公開公募価格3150円を3割超上回る形で生まれた。その後、10月16日の1862円まで利食いをこなし、今年1月26日に初調整後の買い戻しで2512円へ。更に8月6日の1320円まで再調整。
時価の予想税引き後配当利回り2.3%弱。予想PER10倍強は適宜な水準と捉えたいが、果たして既に地相場入りしたかどうかの結論は断じがたい。信用取引の取組は売り:ゼロに対し、買い:26万9200株。「買い」姿勢は強く感じられるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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