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品質保証は「真心」の問題 新幹線台車の亀裂事故 専門家の再教育こそ必要 (1/2)
自動車産業をはじめ、近年、日本の製造業の信頼が揺らいでいる。原因究明のため監督官庁に提出された報告書では、原因は「現場の管理不行き届き」としている。
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一般的にこうした場合、「1.設備更新 2.マニュアルの強化 3.再教育」を再発防止策とすることで決着したとしてしまう。しかし、これは極めて「稚拙」「素人」「アリバイ作り」と言わざるを得ない。その本質には「経営者の責任逃れ」があると言える。
「新幹線台車の亀裂事故」を振り返ると、ことの本質が見えてくる。この事故の報告書は、『川崎重工業の生産現場における品質管理のずさんさ』としている。これは極めて「企業経営者の逃げ」であり、「トカゲのしっぽ切」だ。
「新幹線台車の製作」などの仕事は、量産でなく「おおもの」と言われる重量物だ。この種の製品の加工は、加工途中での歪も多く、工程分割、加工手順など「職人の腕に頼るところ」が大きい。図面を現場に渡し、作業指図書で作業の指示をする。しかし、その指示をする設計者や発注者が、作業展開できる腕前がないのが普通なのだ。
こうした製品の場合、治具・工具などは職人が用意する。少量発注品であっても繰り返し生産品であれば、定盤・治具・工具などは、汎用品だけでなく専用品を職人が用意しておくのだ。
これを発注者や管理者が用意しておくことはまれだ。サプライチェーンに対する手配さえ、現場の職人に委ねたり、職人に意見を聞いて管理者が手配したりする状態だ。それほど、仕事内容について職人の腕に頼った仕事なのだ。
「作業指図書」が添付されていても、部品展開、工程展開から職人が独自に行うことも少なくない。各部品の寸法を決めるにも、職人が歪まで計算した独自の寸法どりを行うのが通常である。
繰り返し生産であれば見直しも進むが、一品料理であった場合、そのとき職人の手持ちの道具を基に製造の準備は進めることとなる。どの様に作るのかは「職人の製品理解」に依存するのだ。
そのため、【大切なのは「設計の意図を生産現場に伝えること」】となるのだ。「製品がどのような条件で使われるのか」「どの様な目的を持った製品であるのか」などを、職人が「幅広く・奥深く」理解することで、より完成度の高い製品が出来るのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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