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子供たちを世界へ 真の国際人・グローバル化とは
LCC(Low-cost carrier/格安航空会社)間の価格競争が激化している。東京から韓国・上海程度の距離で往復1万円台から、東南アジア人気のビーチリゾート、セブ・プーケット等も2万円台から、セールを上手く利用した場合は更に信じられない価格帯での旅行が可能になる。
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さて、ここで提案したいのが小中学生など、感受性豊かな時期の子供たちを連れて日本を離れる旅をしてみることだ。もちろん家計への負担を押し付けるわけではない。移動手段を上手く使った、あくまでも、「世界から日本を見る」という教育の一環だ。
学校教育で英語が必須化するのは「なぜ」か。そして、一体「何のために」英語を学習していく必要があるのか。そこでは、受験や就職を最終目標としない、真の国際人となる動機と本質が見つけられるかもしれない。
■日本から世界を見るリスク
テレビやインターネットを通して世界の情勢をいとも簡単に入手できる時代になった。しかしメディアリテラシー(情報の本質や偏りを判断する能力)が未熟な子供たちには、それが世界のすべてと誤認してしまうリスクもある。
どうであろう、日本の子供たちの「世界」には、近代的なビルが立ち並ぶ都市とリゾート地の美しい光景、遊びの楽園が描かれてはいないだろうか。大人たちも海外へのある種の憧れを抱き、一生懸命働き貯金をしたお金で、いつの日か夫婦や家族で至福の海外旅行をすることを頭に描いてはいないだろうか。
■世界から日本を見る
家があることが当たり前。毎日ごはんが食べられ、学校に通い、病気になれば格安で医療サービスを受けられる。多くの日本人がその常識の中で暮らしている。
しかし世界から日本を見れば、世界人口の約8割以上の人々が開発途上国に住む中、貧困で苦しむ人たちも多く、日本での「当たり前」は世界ではマイノリティであることが見えてくる。
また、貧困の中では相対的に犯罪率が増加する。先述した東南アジアのリゾート地でも、華やかなエリアを抜けると治安が悪いとされるエリアが存在している。観光用のガイドブックには、不要なトラブルを避けるために「ストリートチルドレンを避ける」などの注意書きを目にする。
とても悲しい現実だが、これがマイノリティである先進国の人間から見た開発途上国の歩き方なのだ。
さて、今回は「世界」というキーワードを「貧国」にややフォーカスして記事を書いたことにお気づきだろうか。そしてこれもまた、ある種偏りのある見方なのだ。
もちろん「世界」は一言では語ることは出来ない。その国の歴史や文化、地理、宗教や人種など多面的に切り込み、その土地の人々と触れ合うことで得られるフィールドであり、それが自身にとっての世界となっていくからだ。
グローバル化や英語教育と騒がれていても、実際に日本を出て世界を見た子供たちはそう多くはないだろう。「グローバル化」という言葉がいかにも「英語学習の強化」であるかのような錯覚を排除し、真のグローバル化の意味を、大人も子供も理解していかなくてはならない。
そして身近になった海外で、「本物の」世界を目にすることは、子供たちにとって大いなる学びとなるに違いない。(記事:板垣祥代・記事一覧を見る)
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