人間のやわらかな動き可能な関節モジュール開発、次世代ロボットへ NEDOなど

2020年1月11日 12:09

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今回開発された関節モジュール。(画像: NEDOの発表資料より)

今回開発された関節モジュール。(画像: NEDOの発表資料より)[写真拡大]

  • 関節モジュールの設計内容。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は9日、中央大学と共同で、人間のやわらかな動きを再現できる関節モジュールを開発したと発表した。

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 高齢化社会による労働の担い手不足を解決するため、人間に代わって作業を行うロボットの開発が進められてきたが、ロボットに人間と同じようなやわらかな動きを再現させることは難しく、長年の間実用化の壁となってきた。特に物体に衝突した際に停止するということが難しく、人間の近くで動作させるには危険であった。
 
 人間の関節がやわらかな動きを行えるのは、筋肉の「拮抗装置」に理由がある。関節の角度や力だけでなく、弾性や粘性も変化させることで物体に衝突した際の衝撃を和らげることができるのである。

 そこでNEDOと中央大学の研究グループは、弾性や粘性を変化させる人工的な構造をモジュールに搭載。空気圧人工筋肉では、空気圧を利用することで関節の角度やトルクに加えて弾性を変化させることができる。またMR流体ブレーキによって、間接の粘性を制御することも可能になった。

 空気圧人工筋肉のシステムは軽量であるため、モジュール全体の重さも4キログラムと非常に軽量だ。さらにモジュールの駆動に必要な電源などもすべてモジュール内に配置されており、オフラインで駆動させることが可能である。

 NEDOと中央大学は、今回の成果を開発中の下肢アシスト装具に適用するとしている。また中央大学発のベンチャーであるソラリスは、事業化も行っていくと発表している。

 これまで身体装着型のアシスト装具やリハビリ支援装置は、ハードウェアの課題が大きいとされてきた。しかし今回の成果によって、人工的に人間の関節に近い動きを再現できたということは、課題解決につながる可能性がある。これからの高齢化社会において、安全面への配慮が求められる場面でもロボットが活躍する機会が増えていくと期待される。

今回開発された関節モジュールは、1月16日、17日に新宿ルミネゼロで開催されるシンポジウムで展示される予定だ。

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