関連記事
「ReFa」や「SIX PAD」のMTG、今度は決算発表を延期
トレーニング機器「SIX PAD」等を扱うMTGは15日、前日に予定していた2019年9月期の決算発表の延期を発表した。同社の会計監査人に対し韓国の取引先の在庫状況に関する通報があり、その調査に時間を要するたるという。
【こちらも】知的財産高等裁判所にて、MTGの申立てを相当と認める
同社は7月、上海子会社における虚偽説明や不正取引を理由に、過年度の業績修正や2019年9月期の業績予想の下方修正をしたばかり。目下、通報を受け深度ある監査手続きが行われているが、決算日を過ぎてからの在庫の調査は難航が想像される。
MTGは、美容・健康器具ならびに化粧品等の開発および製造販売を行う新興企業で、美容ローラー「ReFa」やトレーニング機器「SIX PAD」など複数のヒット商品を生み出した。2018年7月にはマザーズ市場へ上場し、元ユニコーン銘柄の1社として注目された。サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドやボクシングの6階級制覇王者マニー・パッキャオなど、スポーツ界のスーパースターを広告塔に起用し、増収増益を続けてきた。
一方、今年7月には、上海の子会社において不適切な会計処理が認定され、2018年9月期通期の売上高や、19年9月期第1四半期および第2四半期に計上された売上高の一部を取り消すなど、発表済み決算書の下方修正を行った。また、同社の主力商品である「ReFa」の重要販売先であった中国における規制強化による美顔器需要の低下や、上海子会社の問題に起因する信用低下に伴う取引解約リスクの高まりなどを踏まえ、2019年9月期通期の業績予想を下方修正し、大幅な赤字決算を予想していた。
今回発表された決算発表の延期について、現時点では具体的な情報は公開されていない。一般的に、在庫の状況は決算期末の時点でその場所でチェックしない限り、高い証明力のある証拠を確認するのが難しい。また、在庫に関する会計不正は、架空売上の計上や減損すべき在庫に係る減損計上の見送りなどが行われやすく、通常の監査において深度のある監査が実践されているはず。また、7月に中国で不正な会計処理が確認されたばかりのタイミングでもあり、今回は非常に難易度の高い会計監査の実施が予想される。(記事:dailyst・記事一覧を見る)
スポンサードリンク