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そごう・西武、西武大津店など5店舗の営業終了を決定 2店舗は規模縮小
そごう・西武は10日、取締役会を開き、滋賀県大津市の西武大津店、愛知県岡崎市の西武岡崎店、徳島県徳島市のそごう徳島店、神戸市西区のそごう西神店、埼玉県川口市のそごう川口店の5店舗の営業を終了することを決めた。同時に福井県福井市の西武福井店、秋田県秋田市の西武秋田店の営業規模を縮小する。深刻な営業不振から不採算店舗に一挙にメスを入れた形で、全従業員約6,600人の2割に当たる約1,300人を削減する。
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営業を終了する5店舗のうち、そごう川口店を除く4店舗は2020年8月、そごう川口店は2021年2月で営業を打ち切り、撤退する。西武福井店は新館の約9,100平方メートル、西武秋田店は「ザ・ガーデン自由が丘・西武」部分の約1,400平方メートルを2021年2月までに営業終了する。
営業を終える5店舗はいずれも大都市圏郊外や地方の店舗で、インターネット通販の拡大や若者の百貨店離れ、郊外型ショッピングセンターとの競争激化などの影響を受け、年間売上高が、ピーク時の102億~359億円から2019年2月期に89億~159億円まで落ち込んでいる。それぞれ店舗運営の効率化などを進めているが、そごう・西武は業績の改善が困難と判断した。
一方で、売り場面積1万6,000~3万3,000平方メートルの大型店で、中心商店街の核店舗の役割を果たしてきた店舗が多いだけに、地域経済への影響は計り知れず、地元の地方自治体や経済団体から反発の声が上がりそうだ。
百貨店はバブル経済崩壊直後の1990年代まで小売業の主役の立場にいたが、地方経済の疲弊や消費動向の変化を受け、地方や大都市圏の郊外で閉店ラッシュが続いている。2019年も北海道函館市の棒二森屋、山形県米沢市の大沼米沢店、京都市山科区の大丸山科店、山口県宇部市の山口井筒屋宇部店などが閉店に追い込まれた。
富裕層や訪日外国人観光客向けの販売に活路を求めている大都市圏都心部を除き、非常に厳しい状況が続いており、今後も閉店が相次ぐとみられている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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