車両盗難防止について 最近の盗難方法とその防止策は?

2019年9月24日 11:17

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 苦い思い出からお話ししよう。

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 今までに10数台の車を乗り継ぎ、3台保有していた時期も2回ある。出向から戻って、実家に置いていた1台と、出向先で普段使っていた車2台の計3台を、一番気に入っていた1台にまとめて、残る2台を順次処分した直後の時期。

 その車を盗まれた。

●盗難の経緯

 当時、少し離れたところの駐車場を借りていた。

 会社にも駐車場があり、気が向けば車通勤していたが、電車の最寄り駅に行くのと、月極契約した駐車場へ行くのが同じ位の距離だった。

 お気に入りの1台は、車通勤は週1~2度として、普段は置いたままにしていた。

 毎週必ず週末や休日に乗る訳でもないので、バッテリー充電も兼ねて、普段は時々、父親に動かして貰っていた。多分、装備が充実した愛車は目を付けられていたのだろう。

 その日は朝から、霧のような細かい雨が降っていた。

 電車で普通に出勤し、会社で一段落したところへ、父親から電話があり、「お前、今日は車で出勤したか?」。父親が駐車場に行くと、車が無く、車の形に未だ地面が濡れていなかったそうだ。

●窃盗団の手口を推測

 窃盗団の手口を推測すると以下の様だったと考えられる。

 *自宅の駐車場ではなく、月極の青空駐車場に駐めてある車を物色する。

 *目星をつけた車と、色と年式が同じスクラップ車を「廃車原簿」付きで買って来る。

 *目当ての車を盗んで来る。

 *盗んだ車の車体番号が「ABC-0012345」として、スクラップで買って来た車の車体番号が「ABC-0013234」だとすると、スクラップ車から車体番号「ABC-0013234」の部分を切り取る。

 *盗んで来た車の車体番号「ABC-0012345」部分を切り取って、そこに「ABC-0013234」を溶接し、周囲を分かりにくい様に塗装して復元する。

 これであ~ら不思議、酷く壊れてスクラップだった車体番号「ABC- ABC-0013234」の車は、一瞬にして完全に復元修理が完了したことになる。

 筆者の車は、結局見つからなかった。

 後日、山間部で多数のスクラップ車が廃棄されているのが発見されたとの報道があった。

●損害は予想以上だった

 車両保険を付保してあったため、時価相当の保険金が支払われたが、当時は年式と車種グレードで機械的に算出され、ドレスアップしたり、沢山装着したオプションや積んでいた多数のミュージックテープ類は全く加算されなかった。

 常時満タンの燃料代も結構する。

 そしてトドメは、無事故割引きで半額以下にまで下がっていた保険料が翌年は「全損事故」扱いでドカーンと割引きゼロに上がったことだった。今は、任意保険も事故回数によって割引率が段階的に下がったりするが。

●最近の高級車盗難

 最近は、「リレーアタック」という手段での盗難が増えている。

 スマートキーは車両本体とその車のキーの間で、微弱な電波をやりとりして、ドアロックを解除し、エンジン始動を可能にする。

 塀に囲まれて、専用のシャッター付きガレージのある家に住んでいるのなら心配が無いが、殆どの場合、自宅に併設のカーポートに駐めてある場合が多い。そして、自宅に帰って車をロックしたら、玄関を入って下駄箱の上とかにキーを置いている人も少なくないはずだ。

 窃盗犯は、玄関近くに置かれたキーから発信されている電波を探って、その電波を車の横で待つ共犯者の受信機に向けてリレーさせ、車のドアを開けてエンジンを始動して乗り逃げする。 

●リレーアタック防止法

 一番簡単な方法は、車のキーを奥の部屋まで持って行き、玄関前とか屋外から、キーから発信される微弱電波を拾わせないこと。

 やはりキーは玄関近くに置く方が便利だという人は、金属製の缶に入れる等して、キーが発する微弱電波が外に漏れなくする。こうすれば、リレーアタックによる盗難は殆ど防止可能だ。

 専用のリレーアタック対策キーケースが売られているため、先ずはそれを検討すると良いだろう。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る

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