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海苔の原料アマノリの生活環を70年ぶりに書き換える発見 北大などの研究
アマノリというのは、あのいわゆる海苔の原料となる海藻類の総称である。今から70年前、つまり1949年にその生活環に関する重要な発見があったのだが、今回、それ以来となるアマノリの生態に関する大きな発見があった。北海道大学と佐賀大学からの報告である。
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1949年、英国人の研究者ドリュー博士は、アマノリの生活環を解明した。アマノリの仲間は、冬には葉状の配偶体(ちなみにこれが食用の海苔になる部分)になり、夏には糸状の胞子体、この二つを交互に交代する生活環を持つのだが、ドリュー博士の発見以前は、この二つの状態のアマノリは別々の海藻だと思われていたのである。ドリュー博士は、糸状体から放出される胞子が葉状体を作ることを発見して、アマノリの生態を明らかにしたのだ。
ところで、配偶体の成長過程においては、減数分裂が起こるのが普通である。減数分裂とは、生殖細胞が染色体を半分しか持たないという現象のことだ。人においてもそうである。
自然界において、環境変動に対応するためなど特殊な場合に限り、減数分裂に依存しない配偶体形成が行われることは知られている。アポスポリーという稀な現象である。
しかし、アマノリは常にアポスポリーを行っている、という事実を突き止めたのが今回の研究のポイントだ。
ドリュー博士以来のアマノリの生活環理解では、糸状体と殻胞子嚢を合わせて胞子体世代としてきたのだが、どうやらこれらは異なる世代であり、アマノリ類はこれに葉状体を加えた三相の生活環を持つらしい、ということが今回解明されたのである。
なお研究の詳細は、オープンアクセス・ジャーナルCommunications Biologyに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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