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ジャパンディスプレイ(JDI)、金融支援契約の成立が報じられても・・・
経営再建の成否が注目されるジャパンディスプレイ(JDI)は7日、中国勢との金融支援受け入れ契約に至ったことを発表した。9月末には手元資金が枯渇すると見られていたJDIは、足元を見られながらも必死の交渉を続けてきた結果、契約にこぎ着けたのだという。
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7月上旬の情報では、調達目標800億円に対して中国の嘉実基金管理グループから522億円(うち米アップルが107億円を負担)の支援を受ける目途が付き、ヘッジファンドのオアシス・マネジメント(香港)からは161億円~193億円の幅での支援を期待していた。合計しても100億円前後の不足が明らかなことから、水面下での調達交渉が継続されていた。
ところが、今回のJDIの発表によると、契約に至った800億円のうち100億円については、嘉実基金管理グループが資金の出し手と現在も交渉中だという。
結局、1カ月が経過しても中国勢との交渉に大きな進展はなかったことになる。
8日の東証におけるJDI株の動きには、投資家の”モヤモヤ”がストレートに映し出されていると言えそうだ。開始早々の時点では”おっかなびっくり”で前日比2円高の74円を付ける時間帯もあったが、その後は反転に向かい、おおよそ前日終値を挟んだ動きになっている。7日のJDIの発表は投資家を鼓舞するものではなかったということだ。
JDIを取り巻く前月以降の動向で目立つのは7月26日に、三井住友、みずほ、三井住友信託という主要3行と、「コミットメントライン」と呼ばれる1070億円の融資枠の期限が8月に到来する目前で、12月30日まで更新したことだ。
限度額の範囲内で調達と返済を自社の都合で行える融資枠の確保は、事業会社にとっては利便性の高い資金調達方法だが、一般的には短期資金の調達期間は数カ月間である。期限が8月から12月になったということは、JDIにとっては”期限切れで延滞”という不名誉を回避し、銀行にとってはJDIの信用ランクを辛うじて維持するものに過ぎない。
もともと、筆頭株主である官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)が、債務保証を続けるということであれば、銀行にとってリスクもない。
支援の受け入れを決議する臨時株主総会が8月29日から9月27日に変更された背景に、残る100億円の調達を確定して総会に臨みたいという思惑が感じられる。現状でも、中国勢からの500億円の支援は10月中に実施されるようだが、残りの300億円は20年8月28日まで待たされる可能性があるという綱渡り状態だ。
支援受け入れ契約報道に、投資家がどう感じているのか?8日の値動きが示しているようだ。「まだまだこれからだ!」と。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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