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サンデン、急拡大する中国のEV市場に向けてヒートポンプを本格展開
ヒートポンプが採用されたローウェイマーベルX(サンデン発表資料より)[写真拡大]
サンデン・オートモーティブクライメイトシステムは、中国の自動車市場で最大のシェアを持つ上海汽車に対し、電気自動車用ヒートポンプの提供を本格的に開始した。ヒートポンプは、電気自動車のカーエアコン用で、同社では、2016年7月より中国で開発を始め、華域三電汽車空調で生産に入っていた。
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今回の上海汽車への提供は2月から開始され、同社の電気自動車「ROEWE MARVEL X」(ローウェイマーベルX)と「Ei5」(イーアイファイブ)向けに出荷されている。
地球温暖化対策のため、自動車産業でも脱炭素化への要請により、電気自動車や燃料電池車といった電動化の流れが加速している。特に、自動車が急速に普及している中国では、国策で電気自動車への切り替えを急いでいる。2018年の中国での自動車販売は、2,805万台で、そのうち電気自動車の割合は4%に過ぎない。しかし2025年には、自動車販売数3,434万台の20%にあたる684万台が電気自動車になると予測されている。
ガソリン車では、冬場の暖房にはエンジンの排熱が利用できたが、電気自動車では排熱がないため、電気ヒーターで車内を暖房する必要がある。この空調のエネルギー消費が、電気自動車の航続距離を伸ばせない一因になっていた。
サンデン・オートモーティブクライメイトシステムでは、中間期(外気温5~25度)のエアコンのエネルギー消費効率のバランスを重視することで、業界トップの性能を持つヒートポンプシステムの開発に成功した。開発品は冷媒を縦に流す構造の室外熱交換器を採用することで、従来の横流の室外熱交換器より冬季の走行可能距離の低下を軽減できた。
その結果、中国での電気自動車ユーザーからの要請であったマイナス5度の環境下でのエアコンの運転を可能とし、暖房効率も従来の2倍を実現したという。
サンデングループは、2018には華域三電汽車空調での電動コンプレッサーの生産ラインを稼働させ、中国政府の環境対応車普及政策に対応してきた。今後も、上海汽車と協業して、中国での電気自動車の急拡大に寄与するという。
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