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ガバナンスが問われているLIXILに、最終章が迫っている! (2-1)
LIXILに関わる動きが切迫して来た。同社は、18年10月に行われた前CEOの瀬戸欣也氏を巡る解任過程が、不適切で企業統治(ガバナンス)上の問題があるとして、マラソン・アセット・マネジメント(英機関投資家)らから臨時株主総会の開催請求を受けていた。
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マラソン・アセット・マネジメントらは、適切なガバナンスを実現するために潮田洋一郎会長兼最高経営責任者(CEO)らの解任を議題とする臨時株主総会の開催を求め、LIXILは5月中下旬に同会を開催すると発表していた。LIXILはこの際、4月15日を基準日に設定していたため、15日現在の株主には臨時株主総会での議決権を行使する権利があることになる。
LIXILが臨時株主総会の開催を表明したものの、開催日や会場などの具体的な情報が公表されていないことから、機関投資家側が東京地方裁判所に臨時株主総会を自ら招集し、運営する許可を申し立てるに至った。この場合、総会の主導権は機関投資家側が手中にする。潮田氏は待ったなしの状況に追い込まれた。
18日に開催されたLIXILの記者会見で、潮田氏は、19年3月期決算が15億円の最終黒字の見込みから、530億円の赤字になることを発表した。さらにその赤字の責任が、前CEOの瀬戸氏にあり、瀬戸氏をCEOに任命したことが大変な失敗であったとして、任命責任を取るため5月20日付で取締役を辞任することと、6月の株主総会後にはCEOも退任すると発表した。
山梨広一社長兼最高執行責任者(COO)は定時総会までは取締役、執行役COOともに続けるが、株主総会後には取締役を退任するという。
LIXIL株の4割は外国人投資家が保有しており、ガバナンス不全の元凶として潮田氏を見つめる視線は厳しい。潮田氏が自ら取締役を辞任するとしたのは、機関投資家が開催を求めている臨時株主総会で、潮田氏の解任案が可決される可能性が現実味を帯びてきたためと思われる。
潮田氏の保有株式は3%程でしかなく、株主としての発言力は大きくない。創業家一族の出身であることに対する周囲の敬意を巧みに利用して、微妙なバランスの頂点に君臨してきた。だが臨時株主総会で解任されたうえに、瀬戸氏らの取締役候補に支持が広がることは、潮田氏が力の源泉を喪失することを意味する。
潮田氏は5月20日付で取締役を辞任することで、臨時株主総会の開催意義を希薄化させようと目論んでいるだろうが、CEOは6月の定時株主総会まで続けるつもりだ。自分に対して吹きすさぶ逆風への自覚はあるようだが、責任を取って辞任するというよりは逆風をやり過ごすための辞任ではないかと見る向きが多い。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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