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ライドシェア解禁への序章となるか? 「相乗り型タクシー」の検討、具体化へ
政府は、全国で「相乗り型タクシー」を解禁する検討開始を決めた。7日に開催された未来投資会議(議長:安倍晋三首相)で、利用者が低料金で移動することが可能な相乗りタクシーの普及推進のため、具体的な検討を始めることになった。
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「相乗り型タクシー」とは、目的地が同一方向で近似する他人同士を、タクシー会社のアプリで結び付けて同乗してもらい、乗車距離に応じた料金を割勘形式で支払うシステムだ。例えば、全く同じA地点からB地点へ向かう2人の見知らぬ他人同士が利用した場合には、料金を折半して支払うことになり、個々人の負担額は理論的には単独にタクシーを利用した場合の半額になる。実際にはそんなケースはあまり考えられないが、単独利用時の支払い金額よりも大幅に割安になることは間違いない。
18年1月22日~3月11までの50日間、大手タクシーの大和自動車交通と日本交通が参画し、都内で1000台規模の「相乗りタクシー」の実証実験を行ってデータを積み上げた。
先立つ17年8月~10月には、料金支払い時のトラブル防止と安心感向上のため、乗車前に運賃を確定させる「前決め運賃」の実証実験を行い、8000回のデータを集めた。
利用の概要は、タクシー会社のスマホアプリに利用希望者が目的地を入力する事前予約制で、同一方向へ向かう人とマッチングすれば配車され、確定している運賃の支払いは、キャッシュレスで決済されることになりそうだ。
18年に行われた実証実験の前半1カ月間では、3000回の利用申込に対して、マッチング確率が約10%だった。参加タクシーが限定されていたことや、認知度が広がりにくい実証実験という条件もあってか、マッチング件数は伸び悩んだ。
利用者の7割は「料金が安くなってありがたい」と答え、再度の利用が期待できる反応だった。見知らぬ人との同乗も「気まずい雰囲気ではなかった」という利用者の声が寄せられ、運用上は、後部座席と助手席に分乗するような配慮がされるようだ。
マッチングまでの時間帯は短い方がありがたいが、乗車料金を節約するためには利用者にも「待ち時間の過ごし方」といった心構えが必要だろう。今後は今まで蓄積されて来たデータを参考にしながら、国土交通省が詳細を詰めて19年度中の実現を目指している。
ライドシェアもいよいよ動き始めたが、未来投資会議が開催された7日には、全国から集合した約400台のタクシーが経済産業省を包囲して、「ライドシェア」反対の示威行動を行っている。アメリカや中国で普及が進む、一般ドライバーが自家用車で旅客を運ぶ本格的なライドシェアの開始には、まだいくつかの山を越える必要がありそうだ。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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