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おすすめできない副業(1) 「インターネットでの無在庫転売」
政府が推進する「働き方改革」を皮切りに、多くの企業で副業解禁を行う流れが加速している。それに伴い、会社員も休みの日に、それぞれの創意工夫のもと新たな収入源を得ようとする動きが活発だ。これから副業を始めようと考えている人は、まず様々な種類の副業を知りながら、自分に合うものを選んでいくのが良い。
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現在注目を浴びているのが、インターネットオークションやフリマアプリを用いた「せどり(転売)」である。手軽に興味ある分野の販売から始められるので人気が高い。
そんな中、一部のブログやYoutubeの動画等で「無在庫転売」をすすめる記事を多く見かけるようになった。在庫を抱えることなく低リスクで始められるのをウリとしており、実際に大きな収入を得ている人がいるようだ。仕組みとしては、手元にない商品を形だけインターネット上で出品し、買いがついた段階で他のサイトやリサイクルショップなどで仕入れて配送するというものだ。
しかしながら「無在庫転売」について、おすすめできない理由が2つあるので紹介したい。
1つ目は、多くのインターネットオークションやフリマアプリの会員規則で、「無在庫転売」を禁止しているからだ。業界大手の「ヤフオク!」や「メルカリ」では明確に、「商品が手元にないもの、取り寄せが必要な商品」は出品を禁止している。大手サイトを用いることができない以上、初心者では十分な市場を確保できないため、副業としての実績を簡単には上げられないだろう。
2つ目は、他の商品販売に比べてもトラブルが発生しやすいからである。自分の手元に商品を一度も届けることなく、買い付け先から直接注文者に届けることも多い。自ら商品の状態を確認することなく販売することになるため、商品の状態についてクレームがつきやすいのだ。実際にクレーム対応に追われてしまい、多くの時間を割いてしまったという経験者の声が上がっている。
以上のように、在庫を抱えない分リスクが少ないように見えるが、問題点が指摘されることも多い販売方法だ。じっくり腰を据えて、一つ一つのトラブル対策を考え実行できる人であれば、挑戦する価値はある。しかし副業にこれからチャレンジしようという初心者には、あまりおすすめできないものといえる。(記事:後藤遼太・記事一覧を見る)
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