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サバイバルを賭した住宅企業のIoT戦略
IoTが日々の生活の中に着実に根を下ろし始めている。家電、自動車そして住宅も然りだ。1月8日から米国ラスベガスで開かれたCES(家電・技術見本市)に、住宅メーカーの積水ハウスが出店した。現地で記者会見した仲井嘉浩社長は「来年からスマートホームサービスの売り出しに乗り出す」と発表した。積水ハウスは、IoT技術を活用したプロジェクト「プラットフォームハウス構想」に着手しているが、その第1弾だという。具体的にどんな代物なのか。
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同社が建築する戸建て住宅の複数個所にセンサーを組み込み、「部屋の温度・湿度」「住人の呼吸数や心拍数」を常時計測し分析する。分析に基づき万が一、脳卒中や心筋梗塞で倒れてしまったといった緊急時には自動通知を受けた窓口から自宅へ安否確認を行い、異変が認められれば緊急通報がなされる。と同時に救急隊員の到着に備え、遠隔操作で玄関の施錠が開かれる。といった枠組みの住宅だという。
無論、積水ハウス単体でなせる業ではない。センサーはNECと慶応大学病院などと共同研究が進められており、来春からオプションとして売り出し(数十万円)初年度は100棟程度への販売を見込んでいる。仲井社長は記者会見で「遠からず標準装備にすることを視野に入れている」としさらに商圏として「病院をはじめとした公共施設、海外販売も検討している」とした。
お年柄、二世代住宅を考えている人も少なくないと思う。1階に息子家族、2階に老夫婦が住まう。心筋梗塞や脳卒中は統計上、自宅で見舞われる機会が多い。今後さらに開発が進めば、建屋の堅固さから万一2階の異変に気付かなくても、建屋が緊急事態を家人に教えてくれる、といった時代が来るかもしれない。なんともはやIoT時代は、便利かつ安全な住宅を生み出してくれるものである。体に起こる異変は、一刻も早い措置が肝心。高齢化社会に適応するまさに、スマートハウスといえよう。
CESには家電メーカーとして、パナソニックも参加した。そこで展示されたのは「ホームX」なる代物。AIが住人の生活パターンを学習しながら、家電や照明などをコントロールしていくものだとか。パナソニックにも住宅事業がある。
言い換えれば積水ハウスにしてもパナソニックにしても、少子高齢化の進捗の中でのサバイバル戦の拠り所をIoTの活用に求めているといえる。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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