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テレビブランド産業、18年の市場動向と東京五輪への特需期待は
アジア系の海外メーカーが依然として日本国内での力を持つなかでシェアを拡大できずにテレビ事業から撤退するメーカーも相次ぐ。事業を売却するメーカーも。国内のテレビ事業は東京オリンピック特需へ向けた高級志向への転換で差別化とシェアの獲得を図れるか。[写真拡大]
平昌オリンピックやサッカーW杯があった2018年はテレビ販売の需要が伸びるのではないかと期待された。内閣府が2人以上の世帯を調査したところ18年3月の時点でテレビの普及率は96%以上と国内需要はほぼ飽和状態にあるが、国内でのテレビ販売事業はさらなる発展に期待が持てるだろうか。
価格比較サイトでのテレビ業界調査によると、ソニー、東芝、パナソニックがここ最近の国内ブランドのトレンドとされる。今年は日立はテレビ事業からの撤退を表明し、東芝もテレビ事業を売却し、ハイセンスの傘下となった。海外ブランドのテレビはLGなどアジア系メーカーを中心に安さを売りとして根強い人気がある。ブランドや機能にこだわらず価格を安く抑えたい層からの支持である。
そこで国内ブランドが差別化を図るために力を入れるのがテレビの高級化だ。4Kテレビ、8Kテレビ、有機ELテレビと、画質の精密さを売りにしたモデルが各メーカーともに登場している。
18年12月から4K・8Kでのテレビ放送がはじまった。とくにNHKは数年前から4K・8Kを体感できる試験放送を行い、まだメジャーではない8Kを押し出したイベントの開催などに現在力を入れている。しかし、一般家庭で8Kをテレビ放送で受信するためには8K対応のテレビだけではなく受信のための工事や機器購入などの必要があるため、導入のハードルが低いとは言いがたいのだ。
また、精緻な画質だけにこだわった結果として魅力に乏しい放送になる可能性も大いにあるだろう。パソコンで視聴可能なYouTubeなどの無料の動画配信やNetflixなどの有料サービスなど、インターネット動画コンテンツの台頭との共存も求められる。テレビ市場としてもテレビに関係するコンテンツ産業としても過渡期と言える。
テレビ販売業界全体としては今後東京オリンピックに向けたテレビ販売に力を入れることが予想される。パナソニックは「東京2020年オリンピック・パラリンピック公式テレビ」として4K有機ELテレビを売り出しているが、すでに十分な画質で視聴できるテレビ機器があるなかでコンテンツとしてのオリンピックのテレビ放送に一般家庭がどれだけの投資をするのかが問われるだろう。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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