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指紋認証デバイスで多数の指紋に一致する合成指紋「DeepMasterPrints」生成
ニューヨーク大学とミシガン州立大学の研究グループが機械学習を用い、スマートフォンなどの指紋認証機能で「マスターキー」のように多数の指紋と一致する「DeepMasterPrints」の生成に成功したそうだ(論文: PDF、The Guardianの記事、Android Policeの記事、Motherboardの記事)。
指紋認証デバイスの中でもスマートフォンなどに搭載されるものは操作性の問題で小型に作られており、指紋全体ではなく一部分だけで一致を判定する。指紋の一部分では情報エントロピーが低下するため、別の指の指紋と一致する可能性が高くなる。また認識失敗を防ぐため、エンロール時に複数の指の指紋を登録させるものもあり、さらに誤一致の可能性が高まる。
今回の研究グループ5名のうち3名は昨年、多数のユーザーの指紋に一致する合成指紋「MasterPrints」を生成する研究成果を発表している。ただし、MasterPrintsは指紋テンプレートの細部を変更することで生成するもので、画像は生成されなかったという。一方、DeepMasterPrintsは本物の指紋画像セットを敵対的生成ネットワーク(GAN)に学習させ、潜在変数進化(LVE)を用いて一致する指紋の数を最大にしたもので、外見は普通の指紋画像に似ており、より多くの指紋に一致するとのこと。
3種類の指紋認証システムによるテストでは学習時と異なるデータセットを用い、3段階(0.01%/0.1%/1%)の誤一致率(FMR)で実施している。FMRを高く設定すると別の指との誤一致が増加する一方、低く設定すると認識が失敗しやすくなる。DeepMasterPrintsは3段階のFMRにそれぞれ最適化したものを使用しているが、FMR 0.01%の場合に成功率1.11%となり、MasterPrints(1.88%)よりも低くなった。ただし、FMR 0.1%では22.50%と大幅に改善(MasterPrintsは6.60%)。FMR 1%の場合は76.67%となり、5種類のMasterPrintsで計5回試行した場合(77.92%)に迫る結果となっている。
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