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千代田化工、19年3月期の業績予測を大幅下方修正 1050億円の赤字に
千代田化工建設は10月31日、5月11日に公表した2019年3月期の連結業績予想を大幅に下方修正すると発表した。売上高4,000億円は変わらなかったが、営業利益は125億円の黒字から980億円減となる865億円の赤字、純利益は65億円の黒字から1,115億円減となる1,050億円の赤字に、それぞれ修正した。米国で遂行中の大型プロジェクト関して、昨今の原油高の高騰と現地の建設需要が影響し、工事コストが大幅に増加したことが要因。なお期末の配当予想は前回の一株当たり7.5円から0円の無配へと転落する予想となった。
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同社は1948年創業の建設・エンジニアリング会社で、日経平均採用銘柄である。石油精製、石油化学、そして天然ガスの液化に必要な大型プラントの建設を主な事業としており、天然ガスの液化プラントに関しては高いシェアを有している。10月22日に、国際帝石が液化天然ガスの出荷を発表した豪州でのプラント建設にも参加している。
同社は現在、米国ルイジアナ州にて大規模な天然ガスの液化プラント建設に携わっているが、そのプロジェクトにおいて850億円の工事コストの増加が見込まれることとなった。要因について、昨今の原油高の高騰により米国にてシェールガスの再開発が増加していることや、2017年に同州が被害を受けたハリケーンからの復興需要を挙げている。結果、プラント建設の作業に携わる工員の確保が困難な状態になっており、当面はこの状態が続くとしている。
さらに同社は現場の立地が僻地にあり人員の定着率が低いことが起因して、工事の生産性が低下していることも原因として挙げた。これらの要因から、厳格にコストを見直した結果、今回の大幅な下方修正に至ったとしている。
配当に関しては2017年8月に発表した中期経営計画では「一株当たり6円を下限」としていたが、業績の大幅な下方修正によって計画通りの株主還元は困難になったとして、無配予想の発表となった。
大規模な設備を建設するビジネスでは受注単価は大きくなる。しかし工期が長くなるためその間の経済や社会状況の変化に影響を受けやすい。また原油や天然ガスはエネルギー資源としての探索から開発が長期的になるのが一般的であり、生産国の政治的な側面からの影響も受けやすい。したがって同社のような産業の経営には高度なマネジメント能力が求められる。(記事:福井廉太・記事一覧を見る)
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