米国経済の成長減速を想定して株安・米ドル安が同時進行の可能性も

2018年10月29日 08:35

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記事提供元:フィスコ


*08:35JST 米国経済の成長減速を想定して株安・米ドル安が同時進行の可能性も
 市場関係者の間では、米中貿易摩擦の長期化、深刻化は株式市場を圧迫する要因との見方が依然として多いようだ。「米国はハイテク関連の提案がなければ、対中交渉を再開しない」との観測が広がっていることや、トランプ大統領は「中国が米国との協定をひどく望んでいるようだが、準備が整っていない」と述べている。一部では「11月開催の20カ国・地域(G20)会合の期間中に米中首脳会談が開かれたとしても、米国側は貿易関連の協議を避けるのではないか?」との憶測も流れている。

 報道によると、ロス米商務長官は「輸入関税は経済にほぼ影響を与えない」と指摘しており、米連邦準備制度理事会(FRB)は「関税による経済への影響は今のところ見られない」との見解を示している。しかしながら、米企業からは、「輸入関税はコスト上昇につながっており、収益を圧迫している」との声が聞かれており、企業経営者は警戒感を強めつつある。2019年の米国経済は、税制改革や財政刺激策の効果が徐々に薄れ、成長はやや減速する可能性があるが、米株式市場が米国経済の成長減速を織り込むとすれば、株安と米ドル安が同時進行するとの見方も出ている。《MK》

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