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AIが育てる植物工場の実現に向け共同実験 NTT西日本とスプレッド
実験を行うテクノファームけいはんな(イメージ図:NTT西日本の発表資料より)[写真拡大]
世界最大規模の植物工場を運営するスプレッド(京都市)とNTT西日本(大阪市)は、人工知能(AI)や「モノのインターネット(IoT)」技術を使い、自動で工場内を栽培に最適な環境となるよう制御する実験を共同で開始した。これにより、AIによって栽培環境をコントロールするシステムを開発し、AIが野菜を育てる工場の実現を目指す。
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実験を行うのは、スプレッドが最新の技術を導入して建設した「テクノファームけいはんな」(京都府木津川市)。同工場では、育苗から収穫まで栽培工程を自動化したほか、最適な栽培環境となるよう工場内の室温や湿度、二酸化炭素の量などをコントロール。1日3万株のレタスを生産する。
今回の実験では、工場内における栽培に関するデータを収集し、クラウド上に蓄積。日々蓄積されるデータはビッグデータ化し、NTTの技術を使って解析する。こうした解析結果を元に、植物の生育に必要な室温度や養液の与え方などを自動で最適化するAIを開発し、効率的な栽培を行うためにAIが学習し対応する工場の実現を目指す。
スプレッドは2007年、人工光を使った植物工場での作物栽培を行うため、京都府亀岡市に第1号工場となる亀岡プラントを建設。6年間かけて独自の栽培技術と生産管理技術を確立し、1日2万1000株のレタスを安定的に生産することに成功した。2013年には、大規模植物工場では困難だといわれていた黒字化も達成した。
さらに、苗の植え替えや栽培パネルの運搬などの作業を自動化することで栽培棟内を無人化し、栽培棟内の環境を均一に保つ環境制御技術を取り入れた次世代型農業生産システムを開発。実験が行われる「テクノファームけいはんな」は、同システムを導入した第1号の工場となる。
同社では次世代システムを導入した工場を、今後5年間で国内20カ所、世界100カ所に展開する目標を掲げており、将来的には国内外から栽培に関するデータを収集。農業分野で革新的な技術開発を行うことで、世界的な食料問題の解決に寄与したいとしている。
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