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三菱ガス化学、中核事業の強化と新規事業の創出で企業価値向上を目指す
三菱ガス化学は9月26日、最適な電力調達・供給を行いコスト競争力を維持していくために、電力供給子会社「MGCエネルギー株式会社」を設立したと発表した。
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三菱ガス化学は化学品の原燃料となる天然ガスの探鉱と資源を生かす開発という2つの技術を保有しており、1981年から地熱発電開発に取り組んできた。既に操業している澄川地熱発電所、2019年開始予定の山葵沢地熱発電所、2023年開始予定の安比地熱発電所に参画している。
さらに2020年発電開始予定の天然ガス火力発電の相馬発電事業にも参画しており、エネルギー事業を主要な事業領域の一つとして展開している。
三菱ガス化学は、1971年三菱江戸川化学と日本瓦斯化学工業が対等合併して発足した。
三菱江戸川化学は1918年三菱製紙の出資によって設立された江戸川バリウム工業所に始まり、日本で初めて1927年にホルマリン、1933年に過酸化水素水(電解法)、1937年にプリント配線板用積層材料の生産を開始した。一方の日本瓦斯化学工業は、1951年天然ガス鉱区を入手して設立され、1957年日本で初めて天然ガスを原料にアンモニアを生産し、1968年には世界で初めて高純度メタキシレンの生産を開始した。
基礎化学品からファインケミカル、機能材料など幅広く事業を展開する化学メーカーとして、エネルギー、情報通信、モビリティ、医・食、インフラという5つの主要領域において多くの製品・技術で社会に貢献している三菱ガス化学の動きを見ていこう。
■前期(2018年3月期)実績と今期(2019年3月期)見通し
前期売上高は6,359億円(前年比14%増)、営業利益は前年よりも189億円増の627億円(同43%増)と過去最高益を更新した。
営業利益増加の要因としては、海外比率56%の中、前年に比較して円安(1ドル108円->111円)による為替差益25億円と高純度イソフタル酸、ポリカーボネート、メタノール誘導品の大幅な市況上昇と販売数量増による増益164億円であった。
今期はやや円高(1ドル110円)で売上高6,400億円(同1%増)、営業利益530億円(同16%減)を見込んでいる。
■中期計画(2019年3月期~2021年3月期)で企業価値向上を目指す
企業価値向上とステークホルダーの信頼醸成を目指して下記の戦略を推進する。
1.中核事業を中心とした既存事業の収益力強化
天然ガス系化学品、芳香族化学品、機能化学品、特殊機能材などの既存中核事業に重点的に経営資源を投入することにより事業基盤を強化し、絶えず新規競合型機能製品を投入することにより安定した収益構造の構築。
2.新規事業の創出と育成
他社との事業提携、M&A、オープンイノベーションなどにより、ライフサイエンス事業、医療包材、ネオプリム、半導体関連材料、固体電解質、メタノール燃料電池、大規模工場野菜生産事業等の新規事業の創出と育成。
3.最適な事業ポートフォリオに向けた投資戦略の実行
市況の変動に左右されないように、事業ポートフォリオの最適化、戦略投資などにより安定した収益の実現。
4.グループ一体となった経営の推進
グループ情報と経営戦略を共有化し、経理システムの共通化・統合化を推進。
石炭、石油に比べ環境対応が容易で埋蔵量も多い天然ガスから化学製品を作り、社会の発展と調和に貢献する三菱ガス化学の動きから目が離せない。(記事:市浩只義・記事一覧を見る)
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