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ispaceが月面探査でSpaceXと契約 複数回のミッション契約は民間初
日本の民間宇宙企業であるispaceが月周回と月面着陸の2つを目指すミッションについてアメリカの民間企業Space Exploration Technologies社(SpaceX)との間で打ち上げ契約を締結したことを発表した。月面探査を行う民間企業が、複数回のミッションにわたる打ち上げの契約を締結したのは世界初という。
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ispaceは現代における宇宙資源の活用について月に着目し、宇宙インフラを軸とした持続性ある世界の実現を目指す日本の企業である。民間の財団による月面無人探査コンテスト「グーグル・ルナ・エックスプライズ」(以下GLXP、グーグルはスポンサー)に唯一の日本チーム「HAKUTO」として参加、2015年に中間賞を受賞し、2017年には最終5チームに選出された経歴を持つ。月面探査ローバーの開発に注力し、月を生活圏にするべく活動を続けてきた。
今回のミッションでは、SpaceX社が提供する再使用型ロケットFalcon9に月着陸船(ランダー)を搭載して打ち上げ、2020年半ばに月周回を、2021年の半ばには月面軟着陸と探査を計画している。ミッション後は年間複数回の商業輸送ミッションへと本格的に移行する計画だ。これらのミッションを成功させるべく2018年8月には国内外の専門家によるランダーの基本設計審査が行われ無事通過、現在は詳細設計段階へと進んでいる。ランダーの詳細設計を完了させた後は、ランダーフライトモデルの製造と月面探査ローバーの開発を並行して行っていく。
史上初となる民間月面探査プログラムの名前は「HAKUTO-R」。GLXPで成しえなかった月面探査への挑戦を「“R”eboot(再起動)」するという想いを込めて名付けられた。GLXPは2018年3月に勝者のいないまま終了したが、その後もispaceをはじめとする各国の参加チームが月面一番乗りをかけて競い合っている。つい先日も前澤友作氏がSpaceXとの間で宇宙旅行契約を結び話題となった。かつてはプラチナチケットであった宇宙への招待状は確実に私たちの手の届くところまで近づいてきている。
打ち上げの詳細な日時は未定だが、ランダーを搭載したFalcon9ロケットは米・フロリダ州のケネディ宇宙センターまたはケープカナベラル空軍基地より打ち上げられる予定だ。(記事:秦・記事一覧を見る)
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