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ザイン、高速インターフェースV-by-One US試作 8Kでも業界標準を目論む
従来のV-by-One HSのブロック図(図:ザインの製品発表資料より)[写真拡大]
ザインエレクトロニクスは21日、8Kテレビ機器内部インターフェースV-by-One USの技術仕様を策定し、V-by-One US搭載LSI製品の評価サンプル出荷を開始したと発表した。
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4Kテレビ機器内部インターフェースには、大半に同社のV-by-One HSが採用され、事実上の業界標準となっている。今回の発表は、更に高精細な8Kテレビ用に、V-by-One HSの4倍高性能な「V-by-One US」規格搭載のサンプル出荷だ。
テレビのデジタル化に伴い、高精細化が進む。その精細さは画面上の画素数で表現される。既に、フルHD(1920×1080画素)の4倍の画素を持つ4Kテレビ(3840×2160画素)が浸透。今後期待される8Kテレビは、更に4倍の7680×4320画素で映像を表現する。これは、フルHDの16倍の精細さだ。
この膨大に増加するデジタル量の伝送を実現するのは、シリアル伝送技術だ。パソコンの初期では、データを並列に伝送するパラレル伝送が主流であった。その後のデータ伝送速度が速くなると、パラレルに伝送されたデータの同期をとることが困難に。クロックとデータを合成して伝送し、伝送後にデータを復元するシリアル伝送が主流になる。例えば、64本のバスでも見かけ上は、1本の端子で接続されるため、機器の小型化や端子数の削減が可能となる。
液晶テレビの映像/画像インターフェースとして一時代を築いたシリアル伝送技術規格(LVDS:Low Voltage Differential Signaling)。ザインは、4KではLVDSに代わるシリアル伝送技術規格としてV-by-One HSを開発。V-by-One HSはLVDSの655メガビット/秒(1秒当たり6億5500万ビット)の伝送速度に比べ、4ギガビット/秒(1秒当たり40億ビット)と約6倍の高速化を実現。加えて、伝送可能な距離は10メートルに達した。
●V-by-One USの特長
4Kから8Kテレビへ移行するための技術的課題の一つ、高速伝送を実現。評価サンプルで14.85ギガビット/1秒(1秒当たり148億5000万ビット)を達成。試作品の伝送可能な距離は1メートル。8Kテレビには十分な長さであろうか。
更に、従来のV-by-One HSに比べて、伝送路のレーン数を1/4に削減する計画だ。
●シリアル伝送(ザイン、V-by-One US)のテクノロジー
8Kテレビに求められる高速シリアル伝送技術の策定、その試作品を完成させた。従来のV-by-One HSに比べた仕様は、伝送速度は4倍の16ギガビット/秒(1秒当たり160億ビット)、8K映像伝送時のケーブル本数は、32対から8対へと削減。
試作品をV-by-One USコラボレーション企業が開発した最大1m長のフレキシブルフラットケーブル伝送路にて、4Kテレビと同じ配線数で8Kテレビ内部の情報伝送を可能とする高速伝送速度を達成。
今回の発表では、試作品のブロック図は示されなかったが、従来のV-by-One HSのブロック図からData、Syncを改良し、V-by-One USの16ギガビット/秒を達成したのであろう。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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