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日清食品、大坂なおみの活躍でグローバル展開に弾みか?
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9月9日、大坂なおみが所属契約を結ぶ日清食品は東京都新宿区の本社で全米オープン女子シングルス決勝戦のパブリックビューイングを開催し、早朝5時から役員や社員150人が声援を送り、優勝が決まった瞬間全員が一斉に歓喜の叫びを上げた。
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この結果、大坂なおみの世界ランキングは、前回から12上げ自己最高の7位となった。
日清食品は安藤百福によって創業され、1958年世界初のインスタント「チキンラーメン」を発売し、世界の食文化の創造に新たな一歩を踏み出した。
1970年にはアメリカへ進出し、以後ブラジル、中国、インド、ヨーロッパなど世界各国へ展開を果たし、さらにカップヌードルを世界のブランドに育てようとしている。
2018年は即席めん誕生60周年にあたり、国内では10月からNHK朝ドラ「まんぷく」で創業者の開発秘話が取り上げられ、海外では大坂なおみの活躍によりグローバル化の進展が期待できる。
2008年に持株会社制へ移行し、国内6事業会社、海外4地域体制で「EARTH FOOD CREATOR」として、グローバルに展開する日清食品ホールディングスの動きを見ていこう。
■前期(2018年3月期)実績と今期(2019年3月期)見通し
前期売上高は過去最高を更新する5,164億円(前年比4%増)で、営業利益は前年よりも55億円増加の341億円(同19%増)であった。
営業利益増加の主な要因としては、前年度との退職給付会計の影響で50億円の増益、即席めん事業の好調により国内で9億円の増益に対し、海外で11%の大幅増収にもかかわらず中国、欧州で新工場、新ライン稼働による償却費増加とハンガリー工場立ち上がり遅れによるコスト増などにより6億円の減益によるものである。
今期から国際会計基準(IFRS)へ移行するのに伴い新基準での売上収益は4,550億円、営業利益は360億円を見込んでいる。
■中期計画による事業推進
カップヌードルのグローバルブランディングを促進し、中期計画の最終年度2021年3月期に売上収益5,500億円(対前期比25%増)、営業利益475億円(同36%増)目標とグローバルカンパニーとしての評価獲得を目指して下記の戦略を推進する。
1.グローバルブランディングの促進
・世界統一グローバルブランドとして、カップヌードル「SEAFOOD」を展開。
2.重点地域への集中
・ブラジルは都市部を中心にカップヌードルを展開。
・ロシアではMareven社と協力して推進。
・13億人市場のインドでは高付加価値商品の提案力を強化しプレゼンスを高める。
・中国市場では市場拡大傾向で高価格帯のカップ麵へシフトしており、香港市場では卸会社MCMS社を連結化しカゴメと共同企業体として運用する。
3.国内収益基盤の盤石化
・シニア、健康、女性、若者ニーズの掘り起こしで国内即席めん市場の深耕。
・関西工場建設へ655億円の工場高度化投資。
4.第二の収益の柱の構築
・日清シスコ、ぼんち、湖池屋の3社協業により菓子事業の総合力向上。
・収益性重視の商品、流通戦略により低温事業と飲料事業を強化。
5.グローバル人材育成
・現地人CEO登用の推進と多様な人材の活用。
20歳の若さで全米オープンに優勝した大坂なおみの活躍と日清食品のグローバル展開から今後も目が離せない。(記事:市浩只義・記事一覧を見る)
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