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「カミオカンデ」3代目建設へ 「ハイパーカミオカンデ」26年の開始目指す
素粒子ニュートリノの観測で知られる「カミオカンデ」「スーパーカミオカンデ」に次ぐ次世代施設の建設が検討されることになった。文部科学省は2019年度予算の概算要求に調査費数千万円を盛り込み、「ハイパーカミオカンデ」建設費の支援などバックアップを行う予定。新たなノーベル賞への期待が膨らむ。
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カミオカンデ(既に解体済み)は素粒子ニュートリノを観測する施設として1983年に観測を開始し、4年後の1987年に史上初めて自然発生したニュートリノを検出した。2002年にはカミオカンデの設計を指導・監督した小柴昌俊博士がノーベル物理学賞を受賞。後継となるスーパーカミオカンデは1996年に稼働を開始。2015年には、この施設を用いて研究を行った梶田隆章博士がノーベル物理学賞を受賞しており、「カミオカンデ」や「ニュートリノ」という聞きなれない言葉がお茶の間でも飛び交ったことを記憶している人もいるだろう。
そもそもニュートリノとは何か。宇宙線が大気と衝突する際に発生する大気ニュートリノ、太陽からくる太陽ニュートリノなどがあり、質量があまりに小さいためしばしば幽霊に形容されるほどその存在が見えにくい素粒子である。反応が期待されるのは弱い相互作用と重力相互作用のみだが、質量があまりに小さいため重力相互作用もほとんど反応せず物質に当てても通り抜けてしまう。そのため検出が非常に難しく、検出すれば文字通りノーベル賞ものの素粒子というわけだ。
「ハイパーカミオカンデ」もカミオカンデ同様、宇宙から飛来するニュートリノなどの観測を行う。検出は困難を極めるが、巨大な検出器を用いることでその可能性を高めていく。予定地は岐阜県飛騨市で、地下650メートルにスーパーカミオカンデの10倍にもなる26万トンの巨大なタンクを建設。世界最高精度での観測を目指し、ニュートリノの性質や太陽エネルギー放出の仕組みなどについて調査を行う。
現在ニュートリノの観測施設はスーパーカミオカンデのほか、カムランド(日本)、サドベリー・ニュートリノ天文台(カナダ)、アイスキューブ(南極)などがある。アイスキューブでは先ごろ2017年に検出したニュートリノの放射源を突き止めたばかり。ハイパーカミオカンデも2026年の稼働を目指し、さらなる成果を期待されている。(記事:秦・記事一覧を見る)
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