月面の両極に氷の存在を確認、NASAが発表

2018年8月23日 09:27

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「月面の南極(左)と北極(右)」(c) NASA

「月面の南極(左)と北極(右)」(c) NASA[写真拡大]

 NASAは21日、月面の両極の部分に、水が氷になった状態で存在することを確認したと発表した。これは、2017年12月に決定された月基地の設置においても、重要な資源になるとみられる。

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 発見された氷の堆積物はモザイク状に分布している。南極では、ほとんどの氷が月のクレーターの中に集中して存在しており、一方で北極の氷はより広く、まばらに広がっているのが確認された。

 ハワイ大学のシュワイ・リー氏が率いる科学者チームと、カリフォルニア大学シリコンバレー校エイムス研究センターのリチャード・エルフィック氏らは、NASAの月鉱物マッパー(M3)装置のデータを使用し、月の表面に水の氷があることをはっきりと証明した。

 2008年に打ち上げられたインド宇宙研究機構の「チャンドラヤーン1号」月探査衛星に搭載されているM3は、月の固い氷の存在を確認する特殊な装備を搭載していた。

 それは、氷から予想される反射特性を拾ってくるだけでなく、その分子が赤外光を吸収するという、独特の方法で直接測定することができる。これにより、液体の水または蒸気、固体の氷を区別するデータを収集出来た。

 新たに発見された氷の大部分は、南極付近のクレーターの影の場所にあり、最も暖かい気温でも-175度を超えることはない。月の回転軸の傾きが非常に小さいため、太陽光がこれらの氷の場所に到達することはないと推測される。

 これまでの観測では、月面の南極における氷の表面の兆候は直接ではなく間接的に観察されたが、氷の存在は、異常に反射する月の土壌など、他の現象によって説明されていた可能性がある。

 月の表面にある氷は、数ミリ以内であったとしても、月の資源として十分に役に立つだろう。将来、月を探検・探索をしたり、月に留まる場合でも、月面下の氷よりも簡単にアクセスでき、活用が可能だからだ。

 この氷がどのように出来て、大きな月の環境とどのように相互作用するかを解き明かすには、さらなる研究が必要だ。今後は、NASAやその商業パートナーにとって、この解明が重要なミッションの一つとなってくる。

 この発見は、2018年8月20日に米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)に発表された。

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