大阪ガス、VPPプラットフォーム用蓄電池の実証試験を開始

2018年8月8日 21:32

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大阪ガス実証試験概要(大阪ガスの発表資料より)

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 大阪ガスは8日、同社が資本参加している米国のスタートアップ企業Growing Energy Labs(以下Geli)と共同で、大阪ガスの施設においてアグリゲーターとしての実証試験を8月から開始すると発表した。

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 実証試験は、2カ所で行う。実験集合住宅「NEXT21」では、太陽光発電設備と蓄電池を設置し、蓄電池を用いた太陽光発電電力の自家消費最大化と系統の需給バランス調整を実施。今津グラウンドでは、業務用・産業用での客先の電力ニーズを想定して、蓄電池を用いた受電のピークカットと系統の需給バランス調整を行う。それぞれ、蓄電池最適運用の視点から、試験検証する。

 Geliは、蓄電池の制御を得意とする分散電源等の制御用ソフトウェア開発企業で、すでに米国・豪州において、多数の蓄電池で構成したVPP(Virtual Power Plant)プラットフォームを提供しており、電力系統の需給バランス調整に寄与している。

 日本でも今後、再生可能エネルギーの導入拡大が進むと期待される。また、家庭用太陽光発電の固定価格買取期間の終了によって、発電電力の自家消費向けに蓄電池の活用やVPPプラットフォームのニーズも高まっていくことが予想される。これらの市場ニーズに備えて、大阪ガスでは、3月にGeliに出資し、VPPプラットフォーム用蓄電池の実証試験の準備を進めてきた。

 大阪ガスにとってGeliへの資本参加は、海外のエネルギー関連スタートアップ企業への投資第1号案件であり、これまでの事業領域を超えた分野における新たな価値創造への挑戦の一歩である。さらに、今後もオープンイノベーションやデジタル化の推進などイノベーションに向けた活動をより一層推進し、暮らしやビジネスに役立つ新たなビジネスモデルの構築・サービスの提供を目指すという。

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