関連記事
スバル・新型フォレスター試乗(2) マツダ・CX-5よりもSGPのもたらすフラットな操縦性
スバル・新型フォレスター(画像: SUBARU)[写真拡大]
■ハイライトはSGPのもたらすフラットな操縦性
スバル・フォレスターが動きだすと、ドライバーの着座位置は確かに高いが、それを感じさせないフラット感が出る。ステアリングは「敏感」と言ってよいのであろう。少しのハンドル操作にも敏感に反応する。とてもオフロードを想定しているとは思えない。機敏に反応するのだが、でも不安にならない。ブレーキローターを薄くしてまでの、「マスオフセットの低減」がどれほど効いてきているのかは分からないが、SUV、ましてやオフロードカーのハンドリングではない。
【前回は】スバル・新型フォレスター試乗(1) マツダ・CX-5よりもラフロード走破性の確保されたSUV
感覚的に好みは分かれるところだが、マツダ・CX-5と比較すると、スバル・フォレスターはステアリングで1歩先んじているかもしれない。アクセルだけでGをコントロールするマツダと、ブレーキだけでコントロールするスバルだが、一般的なのはスバルのブレーキを使ったやり方だ。資料がないが、おそらくは現在は機械式リミテッドスリップデフのコントロールとの兼ね合いもあるのだろう。ブレーキを使った「e-4WD」の方向性だ。
直角交差点で思いっきりハンドルを切ってみた。可変ギアレシオは直線でダルに、隅切りで大きく切れるはずだが、交差点での切れ角、つまり90度ぐらいのカーブでの切れ角では、それほど角度に反応するものでもないようだ。安全のためであろう。
ワインディングでの挙動と合わせて感じるのは、スバル・フォレスターは「横揺れ」つまりローリングを感じないのだ。最低地上高22mmで全高1715mmもある着座位置の高い車両でありながら、全くと言ってよいほどローリングを感じさせないのは見事だ。リアスタビライザーを車軸側でなく車体に付け、車両のロールセンターとサブフレームの弾性モーメントセンターを合わせる工夫などが効いてきているのだろう。
これら何もかも、「スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)」のもたらすセッティングの自由度のおかげと言えるのだろう。SGPはフロント車体曲げ剛性2倍・車体ねじり剛性1.4倍など、剛性が大幅にアップされており、プラットフォーム自身の無用な挙動が抑えられて、それがサスペンションなどのセッティングを素直に挙動させているものと予測できる。ロールはもちろんのこと、ノーズダイブも抑えられて、フラットな姿勢のまま回頭していく感覚が強く出ている。
次は:スバル・新型フォレスターの操縦性能で唯一の欠点を見てみる。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
スポンサードリンク