NYの視点:FOMC、今年あと2回の利上げ軌道を確認

2018年8月2日 07:51

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記事提供元:フィスコ


*07:51JST NYの視点:FOMC、今年あと2回の利上げ軌道を確認
米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を、市場の予想通り1.75-2.00%に据え置くことを決定した。声明では、景気やインフレ判断を上方修正し、さらなる段階的な利上げが必要と、9月の利上げを示唆した。

経済活動の判断は、「強いペースで拡大」と、前回の「堅調なペース」から上方修正された。ヘッドラインインフレとコアインフレは「引き続き2%付近で推移」と、前回の「2%に一段と近づいた」から上方修正。インフレ期待はほぼかわらず。貿易に関する不透明感がくすぶる中、景気見通しリスクも「広範に均衡している」との文言を維持。

労働市場は引き続き強まっており、インフレも良く管理されているためFOMCの6月の見通し通り、年あと2回の利上げ軌道が確認された。金利先物市場での9月の利上げ確率は88%とほぼ織り込み済み。12月の利上げ確率は62%。

金融政策では、依然「緩和的」との文言を維持。最近のFOMC議事録の中で、一部のFRB高官は、景気や雇用の改善に伴い金融政策が中立水準に近づいていく中で、「緩和的」との表現は適切ではないとの意見が出ていることが明らかになっており、この「緩和的」との文言がいずれ修正されるとの見方も根強い。

一部で予想されていた、最近の住宅市場の弱さに関する指摘もなく、比較的タカ派寄りの声明と判断されている。貿易が景気に与える影響や、利回り曲線の平坦化に関しての議論は議事録で確認していくことになる。

●FOMC声明ポイント

■経済活動
「強いペースで拡大」(前回堅調なペース)

■金融政策
「依然緩和的」
「さらなる段階的な利上げが必要」

■労働市場
「依然強い」

■失業率
「引き続き低水準を維持」(前回:低下した)

■雇用の伸び
「強く、個人消費や企業の設備投資も強く拡大している」

■ヘッドラインインフレとコアインフレ
「引き続き2%付近」(前回:2%に一段と近づいた)

■消費
「強く伸びている」(前回:加速した)

■見通しリスク
「広範に均衡」《CS》

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