化学療法で味覚変わった人も美味しく食べられる料理のレシピ本、資金調達に成功

2018年7月31日 19:38

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記事提供元:スラド

headless曰く、 抗がん剤による化学療法により味覚が変わってしまった人でも美味しく食べられる料理を目指す、レシピ本「Chemo Kitchen Cookbook」のKickstarterプロジェクトが最終日の7月28日に目標額の4万ドルを超え、資金調達に成功した(プロジェクトページ公式サイトFOODBEAST)。

 腫瘍細胞をターゲットに治療を行う化学療法だが、味蕾細胞も影響を受ける。そのため、化学療法を受けている患者は金属的な味を感じるなど味覚が異常になることもあれば、完全に味覚を失ってしまうこともある。治療による味覚への影響は軽視されがちだが、闘病に必要な栄養をとるためにも食事の味は重要だ。Chemo Kitchenでは化学療法を受ける患者が美味しく食べられるよう味の強化に注力しており、過去2年間にわたって30人の有名シェフと50点以上のレシピを開発・評価してきたそうだ。

 レシピ開発に着手したきっかけは、共同設立者のCal McAllister氏の母親が化学療法を受けた際、好きな食べ物を泥のような味だと感じるようになったことだという。Chemo Kitchenのレシピではレモンやショウガなどを使用して風味を強化することで、McAllister氏の母も再び美味しく食事ができるようになったとのこと。がん患者のための料理本は既にいくつも出ているが、化学療法で変わってしまった味覚に注目し、レシピを工夫した料理本はChemo Kitchen Cookbookが初めてとのことだ。

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