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喫煙は交通事故死のリスクをもたらす、統計から明らかに 東北大の研究
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喫煙者はそうでない人に比べ交通事故死するリスクが高い。この事実を、統計を用いた分析によって東北大学の研究グループが明らかにした。
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喫煙はがんや循環器疾患などによる死亡リスクを高めるという事実はよく知られている。それは常識的なことであるからいいとして、実は外因死を増やすという研究データもある。外因死とは、転倒、窒息、火災、交通事故、他殺、自殺など様々な要因によるものである。
火災と喫煙の関係については説明するまでもないだろう。だが交通事故とはどういうことか?例えば、運転中の携帯電話の使用は道路交通法によって禁じられている。運転操作が不安になり、危険だからである。それと同じように、運転中の喫煙行動も操作を誤らせるリスクを生じさせるという可能性があるのだが、それを分析する研究や試みはこれまでほとんど存在していなかった。
今回の研究では、茨城県健診受診者生命予後追跡調査事業の1993年から2013年までの前向きコホート研究のデータ、すなわち茨城県内38市町村における40歳から79歳の男女、9万7,078名のデータが利用された。
データの男女内訳は(追跡できなかった694人を除外して)男性3万3,018名、女性6万3,366名である。もっとも、女性は喫煙者数比率が少なすぎ、分析に適さないと判断されたため統計的解析の対象から外された。
さて、問診票の記録をもとに、非喫煙者、過去喫煙者、1日20本未満吸う喫煙者、1日20本以上数喫煙者のグループ分けが行われた。そしてそれぞれのグループの交通事故による死亡者数を比較したところ、一日20本以上煙草を吸う喫煙者は、非喫煙者に比べ、1.54倍、交通事故死する確率が高いということが明らかになった。
また、このデータは運転中の喫煙に着目して統計を取っているわけではないため、実際には運転時の喫煙が影響して事故死する確率はもっと高いと推測されるという。
なお、研究の詳細は「Journal of Epidemiology」にオンライン掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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