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トヨタ・新型クラウン発売(1) 梯子型フレームが作った歴史と小型車枠がもたらしたスタイル
クラウン・コンセプトのインテリア。(画像: トヨタ自動車)[写真拡大]
トヨタがクラウンをモデルチェンジする。初代発売が1955年1月であること自体、私も知らない。記憶にあるのは観音開きの大きな車だったことだ。60年以上昔の記憶だ。当時の日本の大型車と言えば、現在の平成天皇が皇太子時代に自ら運転したと伝えられるプリンス・グロリアをはじめ、ニッサン・セドリックなどだ。
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長く日本市場で最高級車の地位にあり、オーナーカーと認められるようになっても、現在のドイツ車の地位にあった。
■ (1)梯子型(ラダー)フレームが作った歴史
トヨタ・クラウンの歴史で最も注目すべきことは、しばらくモノコック構造を取らず梯子型フレームを残してきたことだった。これを丈夫な構造と勘違いしたユーザーの信頼感が、長く今日まで続く固定客を得たことだった。本当はモノコック構造のほうが軽くて丈夫な車を造れるのだが、梯子型フレームは見た目に強固に感じるのであろう。現在でもオフロードカーがそのフレームを有していることがあり、構造的に優れていると勘違いしている向きもある。
2代目で採用になったX型プラットフォームは、「真ん中で折れる」と悪口をたたかれたが、スタイルは初代とは打って変わって、アメリカ車の影響を受けたモダンなスタイルだった。4つ目のヘッドランプが採用され、フラットデッキののびやかなスタイリングは、新鮮な驚きを感じさせた。
■(2)小型車枠がもたらしたスタイル
もう1つ、クラウンの歴史で忘れてはならないことは「小型車枠」だ。現在は排気量で自動車税は決まっているが、当初、小型車枠を出ると自動車税が上がり、タクシー、法人需要に大きな影響が出るため、クラウンなど日本の高級車は「5ナンバー枠」を守ろうとしてきた。そのため、クラウンも細長いプロポーションとなっていたのだ。「2000cc以下 4.7m以下 1.70m以下 2.0m以下」の枠で、2000cc以下の排気量と1.7mの横幅制限が、日本の自動車の大きな制限となっていた。
クラウンのプロポーションは今でも横幅を制限している感がある。日本国内での使い勝手を考えた、デザイン上の名残だろうか。(2,499cc、4,895×1,800×1,460mm)がモデルチェンジ前の現状のサイズだ。 この特徴がタクシーにも長く使われる基となり、法人の利用も多く、公官庁の車として現在も多くの需要がある。オーナーカーとしての需要を呼び起こしたのは、高度経済発展が続いていたことと「ハードトップ」を取り入れたことで、「いつかはクラウン」とのキャッチフレーズと共に、高級パーソナルカーとして普及してきたのだった。
次は、クラウンユーザーの高齢化を見つめ、新型の若返り策を見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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