シャープ、犬向けバイタル計測サービス提供 犬の健康管理の一助に

2018年6月12日 13:40

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計測のイメージ。(画像: シャープ)

計測のイメージ。(画像: シャープ)[写真拡大]

 シャープは11日、大阪府立大学と共同で、業界で初めて犬の自律神経バランスの数値化技術を開発したと発表。さらにこれを応用して犬の健康状態に関するデータを提供する「犬向けバイタル計測サービス」事業に参入するという。

 バイタルデータとはデータ化された脈拍、体温、血圧などの生体情報だ。主に医療分野で活用されており、日常的な健康管理にも役立つ。身に付けられる、いわばウェアラブルな計測機器の登場や、ネットワーク環境の整備が進んだこともあり、今やその分析方法や活用の幅はより広がった。

 そしてシャープらは今回、独自開発したウェアラブルセンサと計算方法を用いて、犬のバイタルデータを自律神経バランスも含めて取得することに成功したのである。犬に特有の心拍変動パターン分析によって自律神経バランスの数値化を実現、加えて心拍数や呼吸数の算出も可能だ。

 犬が身に付けるセンサは獣医師が監修し、簡単に装着できて体への負担は少なく、また密着性を確保してデータを正確に取得できるよう設計されている。様々な犬種のバイタルデータを、毛を剃らずとも計測できる。既に計測実績のある犬種はスムースコート・チワワやトイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、柴などである。

 実施するサービスは2種類あり、1つはペット関連企業を対象にした計測・解析サービス、もう1つは研究機関を対象にした計測システムのレンタルサービスだ。ともに7月1日より開始する。

 前者は犬関連商品やサービスの開発加速を目的とし、バイタル計測とデータ解析支援を行う。費用は受託内容によって異なるが、例えば8頭の計測と解析サービスなら150万円から、といった形になる。後者では犬の健康管理に寄与する研究促進のため、計測システム一式を貸し出す。費用は解析サービスなしで月40万円からとなっている。

 今後は獣医師に向けたシステムの検討も行うほか、サービスの提供を通じてデータを蓄積し、計測する項目の拡大や解析精度向上を図る。また一般消費者への、IoT技術などを駆使したペットと人の関係を支えるサービス提供も視野に入れて活動していく見込みだ。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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