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凸版印刷、コンクリートに加飾デザイン可能な「べトンフィット」開発
べトンフィットを用いた製品例(写真:凸版印刷の発表資料より)[写真拡大]
凸版印刷は5日、コンクリートの硬化を遅らせる特殊インキを印刷し、意匠性の高い多様なデザインを付与できるコンクリート用加飾工程紙「べトンフィット」を開発したと発表した。コンクリート製品の製造工場やゼネコン、デベロッパー向けに、5日より販売を開始する。
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ホテルやリゾート施設、ショッピングセンターなどは、施設の機能性・利便性・経済性に加えて、話題性も重要な要素だ。施設の新築・改装需要が増加する中、それらの外壁については強度や耐久性に加えて、意匠性の高いものへのニーズも高いという。
コンクリートへの加飾と言えば、型押しや彫刻、タイル貼りなどが一般的だが、精巧で多様なデザインを再現することは困難だった。
使用方法は簡単だ。精巧なデザインを描いたべトンフィットを、コンクリート型枠の底に敷き、生コンクリートを流し込んで固めたあと水洗いする。特殊インキを使用したデザイン部分は、コンクリートの内面が露出して絵柄を発現させる。
●べトンフィットの特長
従来の型押しや彫刻、タイル貼りなどによる加飾と異なる点は、印刷方式であることだ。コンクリートに意匠性の高い加飾デザインを付与でき、加えて仕上がりもイメージし易い。
この印刷方式は、表面を削る形でデザインを表現。プレキャストコンクリート製品でありながら、彫刻方式でしか実現できなかったコンクリートの表面色と内部色の2色でのデザイン表現を可能にした。
工期の短縮と安定した生産性も魅力だ。従来の型押し手法と異なり金型が不要なため、工期を短縮できる。また、印刷方式の工程紙は、ロール形状で供給。生産性向上につながる。
●コンクリートへの加飾(凸版印刷、べトンフィット)のテクノロジー
コンクリートの硬化を遅らせる特殊インキと工程紙の開発がブレークスルーであろうか。その原理は不明であるが、さらに2色でのデザイン表現を可能にしている。
設計価格は1平方メートル当たり2万円と高価であるが、従来方式の金型作成や彫刻に比べれば、妥当な価格設定なのであろうか。2020年に20億円の売上を目指す。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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