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日産、EVとe-POWER搭載車の発売計画発表 e-POWERはトヨタHEVより効率が低い?
新型「日産リーフ」。(画像: 日産自動車の発表資料より)[写真拡大]
日産は円卓会議を開催し、記者会見の効果を上げ、日産が考えるEV化への道のりを説明した。
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出席者は、アジア・オセアニア事業担当副社長であるダニエレ・スキラッチ氏、日本事業担当専務執行役員の星野朝子氏だ。日産中期事業計画を発表し説明した。
発表された中期事業計画によると、日産は、電動駆動車(EVおよびシリーズハイブリッドシステム「e-POWER」搭載車)の市場展開を拡大する。2022年度末までに、新型「EV3モデル、e-POWER搭載車5モデル」を日本市場に新規に投入するとした。日産の日本国内での電動車(EV・エクステンダー搭載車)販売比率は、約2割から2022年度までには約4割に、2025年には販売台数の5割以上になる見込みとした。
日産e-POWERは、外部電源により充電しないのでシリーズハイブリッドシステム(電動駆動車の一つ)に分類されているが、エンジンによる発電で充電するシステムはレンジエクステンダーEV(電動車)と同じだ。ややこしいが、外部電源充電を主たる充電電源とするのが「電動車(EV)」、外部充電なしでエンジンによる発電機で充電してモーター駆動するのが「電動駆動車」と区分しているのだ。
星野朝子専務執行役員は、円卓会議の中で、「国内の販売ネットワーク」を「あらゆる顧客がインターネットをはじめとするデジタルの世界と関わりながら自動車を購入している」という認識に立って、デジタル技術を駆使していく意向を表明した。「購入検討からアフターセールスにいたるまでユーザーとの関わり方をデジタル技術でひとつながりにする」と表現し、IoTによる「第4次産業革命」を意識したシステムを構築していくとした。「必要なときに必要なサービスを提供することで顧客満足度の向上を目指す」と言う、どこかで聞いたことのある構想を示した。トヨタの「ジャストインタイム」をIoTで実現していく原則を指している。
また、カーシェアリングサービスを「IoT時代の基盤と認識」し、電動駆動車のカーシェアリングサービス拠点を30ステーションから500ステーションにまで増設、電動車に触れる貴重な機会を作り出していく意向だ。「シェアリングが自動車の所有意欲を阻害する」との認識を改めたようだ。
しかし、エンジンを発電専用に使う「シリーズハイブリッドシステム」は、トヨタ方式ハイブリッド(HEV)よりも燃費効率が悪いとデータが出ている。
ホンダのHEV方式では、80km/h付近まではシリーズハイブリッドEV走行だが、それ以上の高速ではエンジン直結としている。それは、発進はEV、それ以降はエンジンとモーターのトルクミックスしているトヨタ方式HEVに、燃費効率でかなわないとの現実が見えているからだ。現在の技術で、全速度域でEVではトヨタ方式HEVに燃費ではかなわないが、そのほかの点でシリーズハイブリッドシステムのメリットを示さねばならない。少なくとも日本国内市場では必要なことだ。
将来バッテリーが進歩し、航続距離がガソリンエンジン車に匹敵するほどになったとき、「Well to wheel(油田から走行まで)は発電に任せる」となる時が来るだろう。すると「燃費ではなく電費」の問題となることとなる。そして「EV時代が到来する」とユーザーに信じてもらうことが、おそらくはシリーズハイブリッドシステムのメリットを示したことになるだろう。
中国の国策がこのままであれば、近い将来そうなる可能性は高い。だが地球が終わってしまっては何も残らないが・・・(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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