つながるクルマ(コネクテッドカー)は動く個人情報?安全なのか、危険なのか?

2018年4月18日 16:06

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 「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared&Services(共有化&サービス)」「Electric(電動化)」。つまりはCASE。ビジネスマンであれば知らなければならない用語になってきた。自動車業界は、これらに後れをとってはならないと躍起になっている。このうち、コネクテッドカー関連市場の規模は、2016年の3980億円から2020年には1兆円、2025年には2兆円規模に拡大する(矢野経済研究所)という予測も出ている。

【こちらも】国内コネクテッドカー関連市場、25年には2兆円へ拡大 B2Bへシフト

■不安を感じる人が半数以上
 しかし、一般にはどうだろうか?「コネクテッド」という言葉に大いに反応する人は少ない。マーケティング的には大きな訴求点であるはずなのに、自動車ディーラーの営業マンでさえうまく説明ができないでいるのが現状だ。また、ある調査(中国、カナダ、英国、米国、日本、ドイツの8534人を対象)では、「つながるクルマ」に不安を感じて事前に自分で調べるという人が回答者の半分を占めており、中国に限ってみると70%超もいるという。

■つながっていることを認識していないユーザーもいる
 現在でも、私たちはVICS(道路交通情報通信システム)やETC(電子料金収受システム)などのサービスを運転中に利用しており、すでに「つながっている」ともいえる。しかし、これから購入する新車にはWiFiなどの通信機能が備わっており(北米で販売されている新車の半数が通信機能を備える)、前述の調査では、自分の車がネットにつながっているのか、そうでないのかを知らないでいるユーザーが90%以上もいるというのだ。VICSやETCなどの情報と違い、常にGPSなどの個人情報が外部からアクセス可能な状態にあることになる。実際に、ソフトウェアのアップデートは本人の知らないうちに行われている可能性が高いという。

■つながることの最大のメリット
 しかし、「つながるクルマ」のメリットも少なからずあるのを理解しておこう。スマホとつなげて地図情報サービスや、映像、ゲームなどを利用することは、メリットというほどのものではない。大事なのは、ユーザーの緊急時対応に役に立ってくれることだ。病気や事故に遭遇したときの緊急車両の手配や、体調管理のフォローが迅速できれば、運転中に命を落とすことも少なくなるだろう。EUでは、早くも2018年に、交通事故の際に車が緊急サービスに自動的に接続することを求める規制、eCallが施行されるらしい。

 このようなメリットを活かすためにも、「つながるクルマ」のウイルス対策やファイアウォールは万全でなければならないだろう。トヨタとホンダも、ハッカー対策のため、2019年から暗号技術を使用した基盤を採用することを決定している。また、ユーザーも「つながるクルマ、コネクテッドカー」の知識を十分付けておく必要があるだろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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