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寄生虫エキノコックス、愛知県知多半島で感染拡大 北海道以外で初
エキノコックスは北海道のキタキツネに多く見られる寄生虫病として知られる。(画像:いらすとや)[写真拡大]
北海道のキタキツネの寄生虫病として有名で、人獣共通感染症であるのでヒトにも感染するエキノコックスが、愛知県の知多半島で、本州では初の感染拡大を生じていることが判明した。
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愛知県と厚生労働省は、知多半島を「流行地域」と認定し、注意を呼び掛けている。
エキノコックスは扁形動物門条虫綱真性条虫亜綱円葉目テニア科エキノコックス属に属する生物の総称であり、エキノコックス症はその種の違いにより内部でいくつかの分類に分かれている。
もともと日本にはエキノコックスは存在していなかったが、明治時代にはじめて国内で感染事例が発見されたことから、輸入感染症とされている。
キタキツネだけではなく、イヌ、ネコ、タヌキなどイヌ科を中心とした肉食動物(例外もある)を宿主とする。その卵は糞とともに排出され、主に経口で感染する。
エキノコックスはヒトの体内では主に肝臓に寄生する幼虫となり、深刻な肝機能障害を生じる。肝臓癌と誤診される例もある。
エキノコックス症は潜伏期間が長いことが特徴である。成人の場合10年から20年、小児でも5年は潜伏期があり、その間は無症状のままである。
なお、98%の症例において感染部位は肝臓であるが、まれに脳、骨、心臓などに寄生して重い症状を引き起こすケースもあり、体内での転移も起こり得る。アナフィラキシーショックを招くこともあり、かなり重篤な感染症である。
北海道では昔からよくある感染症であるので、日本での罹患者数は毎年20名程度。ヒトへの感染については完全には解明されていないのだが、生水を飲まない、キツネ(特にエキノコックス症を生じて尻尾が肥大化しているキツネ)に近づかない、山菜はよく洗うか生食を避ける、などが基本的な対策である。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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