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田辺三菱製薬と日立、新薬開発で協創 AI技術で臨床試験を効率化
臨床試験領域における協創の概念図(日立製作所の発表資料より)[写真拡大]
田辺三菱製薬と日立製作所は26日、新薬開発における臨床試験の効率化に向けた協創を開始したと発表した。
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臨床試験全般の幅広い業務において、日立の人工知能(AI)など先進のデジタル技術を用いて臨床試験を効率化し、新薬開発の期間短縮と開発コスト削減、および成功確率向上を目指す。
近年、ジェネリック医薬品の普及が医療保険財政を改善している。ジェネリック医薬品とは、先発医薬品と治療学的に同等であり、製造販売が承認されたものだ。一般的に、新薬での特許の有効期限が切れたものなどがジェネリック医薬品になり、研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて価格は安い。
厚生労働省の発表によれば、ジェネリック医薬品の数量割合は65.8%であり、ジェネリックへの置き換えによる医療費適正効果額は、年間1兆3,000億円と推計。2020年9月までに、ジェネリック医薬品の使用割合を80%とする目標を掲げている。
一方で、このようにジェネリック医薬品の普及が進む中で、新薬メーカーの事業環境は厳しさを増している。継続的な事業の成長のためには、有効な治療方法のない疾患に対する先発医薬品の早期開発が欠かせない。今回の発表は、新薬開発における臨床試験にAIを用いて効率化するというものだ。
●臨床試験領域におけるAI活用
新薬の開発には、有効性や安全性を検証する臨床試験が必須であり、精緻な実施計画の立案が求められる。熟練者の知識・経験を元にしたノウハウをもってしても、膨大な時間を必要とする。
この工程は大別して、医学文献などからの情報収集と臨床試験計画に向けた分析からなる。
両社は、先ず前段階の医学情報の検索・収集に多くの時間を要していることに着目し、2017年初めから共同で、情報検索・収集の自動化を検討。医療向けの自然言語処理やディープラーニングなどのAI技術を活用。日立のIoTプラットフォーム「Lumada」内に組み込む。
従来の熟練者のノウハウに依存していた情報収集の時間を約70%短縮。収集・整理されたデータの正確性も確認。臨床試験計画に向けた分析に、両社のノウハウを盛り込む協創を開始する。
●新薬開発(田辺三菱製薬と日立、Lumada)のテクノロジー
新薬の臨床試験の計画段階において、医学論文やClinicalTrials.govなどからの専門的な医学情報の検索・収集に多くの時間を要していることは、新薬メーカーの課題だ。共通の課題に関して、IoTプラットフォームLumadaを活用し、医学文献などからの情報収集を自動化する技術を開発。汎用化したソリューションコアとして、2018年度から順次、国内外の製薬業向けに広く提供する。
新薬開発における臨床試験成功確率の向上のためには、医学文献などの情報収集以外にも、臨床試験計画に向けた分析が必要である。これに関しては、協創範囲を拡大し、さまざまな実証実験を行うという。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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