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M&A仲介企業も差別化の時代
M&A仲介の専門企業インテグループではホームページで、「当社は、完全成功報酬制を採用しております」と発信している。その理由として「多くの同業社は業界慣行として着手金・月額報酬・中間金等、M&Aが成功しなかった場合でも一定の料金が発生する報酬体系を採用しています。なぜなら着手金等を含む報酬体系を採用した場合、仲介会社においては、お客様と契約し着手金等をとることが目的化してしまい、M&Aの可能性を判断する目が失われてしまうためです」と記している。
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確かに(上場)M&A仲介会社の料金体系を見ると、多少の差異はあっても上記の指摘には頷かされる点が強い。
同社の藤井一郎社長は「当社の社員1人当たりの年間契約件数は3件、業界平均約3倍の実績を上げている」とした上で、その理由として完全成功報酬型の背景を「相談を受けた段階で吟味している。会社を売りたいと持ち込まれても対応できないと判断した時はお断りしている」と明言している。裏返せば、成功が見込める案件のみを引き受けるという体制だ。
ちなみに同社は昨年6月に介護用品のネット通販や展示会を手掛けるブティックスと提携し「3年後の売り上げ目標」を掲げ、経営が厳しい年商数千万円から100億円程度のグループホームやデイサービスの運営業者を対象に介護会社のM&Aにも乗り出してもいる。東京商工リサーチによると2016年の介護業者の倒産件数は前年比42%増の108件。「業界再編必至」と確信した施策といえよう。評価に値する。
さて同社の売りの「完全成功報酬制」だが、売買金額に応じ率が定められている。5億円以下の「部分」は5%、5億円超~10億円以下の部分は4%、10億円超~50億円以下の部分は3%、50億円超~100億円以下の部分は2%、100億円超の部分は1%。表現は適当でないかもしれないが、「部分」が味噌。例えば売買金額12億円の場合の成功報酬額は5100万円+消費税。5100万円はこんな計算式から成り立つ仕様となっている。「(5億円×5%)+(5億円×4%)+(2億円×3%)」。
仕組みもまた差別化されている。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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