コンパクトSUVの元祖?「ジープ・新型コンパス」はワイルドさを秘める

2017年11月16日 17:29

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新型「ジープ・コンパス (Sport)」(FCAジャパンの発表資料より)

新型「ジープ・コンパス (Sport)」(FCAジャパンの発表資料より)[写真拡大]

  • 新型「ジープ・コンパス (Limited)」

 フィアット・クライスラー・オートモービル(FCA)は10月30日より、四駆の老舗中の老舗であるジープの「新型コンパス」を発売した。「ジープ」には実際に根強いファンがいるのだが、世代が変わって一般的には名前は知っていてもどんな車なのかよくわからないという人も増えたのではないだろうか。

【こちらも】SUV(Sport Utility Vehicle)とは何?四駆・オフロードカー・クロスオーバー?

■もとはと言えば、超ワイルドな軍用車

 ジープの始まりは、第2次大戦中の1940年にある。戦地にあっても、高い耐久性と悪路での走破性で、さらに小回りが利く小型の四輪駆動車が重宝したのだ。戦地でも活躍できる、究極のワイルドなコンパクト4WD車である。

 アメリカ軍からの要求スペックの1つは、「地雷を踏んでタイヤ4本のうち2本を失った場合でも、スペアタイヤを含めた残り3本で100kmの走行が可能であること」というから、そのワイルドさは想像がつくだろう。

 さらなる要求スペックは、自重1,275ポンドつまり585kgで、初代スズキ・ジムニーの600kgに満たない重さであったが、実際には自重1トン弱で開発したという。そのエピソードからも、いかに軽量でコンパクトなクルマが切望されていたかがわかる。言うなればコンパクトSUVではなく、コンパクトMUV(Minitary Use Viecle)だろうか。

 しかし面白いことに、現在もまた、軽量でコンパクトな車が求められる時代になってきている。それは、戦地で有利なためではなく、地球温暖化のためにCO2をできるだけ排出しないためなのだ。

■「ジープ・新型コンパス」は街乗りで

 簡単に記したが、そんな歴史をもつジープの今回発売になった「新型コンパス」はどんな車だろうか?

 ジープのラインナップの中ではコンパクトな部類に入り、全長4,400mm、全幅1,810mm、全高1,640mm。まさに、コンパクトSUV。2WDの「Sport」グレード、4WDの「Limited」グレードがあるが、車重は2WDが1,490kg、4WDが1,600kgあって、残念ながら4WDはジープのイメージからの軽快さには欠けるだろう。

 日常は街乗りで、たまに郊外で過ごすというのであれば、2WDでも十分であろう。価格も300万円台である。ジープの歴史を知って、ワイルドなイメージだけは胸に秘め、楽しめるクルマであろうと思う。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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