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ソニーが”香り”の分野で存在感を発揮!ソニーの“アロマビジネス”とは?
「AROMASTIC」とカートリッジ。(画像: ソニーの発表資料より)[写真拡大]
ソニーが既存の事業領域を踏み越えたビジネスアイデアを社内募集し、600件の応募の中から生まれた13事業の一つが“アロマビジネス”だ。このプロジェクトはソニー社内に設けられた新規事業創出プログラム(Seed Acceleration Program)から生まれた。
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ソニーと言えば技術力に定評のあるハード機器メーカーのイメージが強い。今までのソニーの流れをどう考えても“アロマビジネス”には結びつかない。2006年当時の経営トップで、中核事業としてのエレクトロニクス部門の強化を進め非中核部門を容赦なく切り捨てたハワード・ストリンガー氏の時代であれば、提案することすら怖気づくような「非中核事業」である。
同社のクラウドファンディングサイトで2015年11月に支援を募ったところ、1,000万円の目標額を2カ月足らずで達成。まるでべンチャー企業のような成功譚を生み出す凄味がソニーの魅了だろう。
アロマには自室で静かに楽しむものというイメージがつきまとうが、そのアロマを身に着けて、あのウォークマンのように町へ持ち出す斬新さは無類だ。専用カートリッジに「AROMASTIC」を装着していると、いつでもどこでも香りで気分をリフレッシュできる。カートリッジには5種類の香りが封入されているので、ダイヤル切り替えるだけで瞬時に香りを変更できる。
最近では男性でも香りを身に着けることが当然視されているが、この「AROMASTIC」は周囲に香りを漂わせることを想定していないという意味でも、今までの常識を覆した。ホルダー自身が気分転換のために鼻先でスイッチを入れると、一瞬の香りに包まれて気分のモードを瞬時に切り替える。そばにいる人に同じ香りを強要する恐れもない。最近「スメハラ」として臭いのストレスが意識されつつあるが、「AROMASTIC」は真逆の発想でもある。
現在はカートリッジも5種類(ビジネス・スタディ・フレッシュネス・ビューティ・ベイシック)に増え、合計で23種類の香りが提供されている。シーンに合わせて香りを持ち歩く時代になったのだ。
ソニーは4K有機ELテレビ「ブラビア A1」シリーズで、テレビの前面を振動させて音を出す音響システムを採用している。テレビから香りを漂わせることも可能になるのだろうか。もしそんな時代になったら、空腹時のグルメ番組は視聴者にとってつらい時間帯になりそうだ。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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