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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(1):◆嵐の前の静けさ相場◆
*09:40JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(1):◆嵐の前の静けさ相場◆
〇材料多いが、大勢、無難な展開〇
本日は衆院選公示、北朝鮮党創建72周年、スペイン・カタルーニャ州のプチデモン首相の州議会演説など、内外政治イベント材料が目白押しで、模様眺めムードが強い展開と思われる。ただ、緊迫感は薄れており、「総選挙投票前にアベノミクス高値(15年6月20868円)更新」基調が続くものと想定される。
先週末の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が-3.3万人、7年ぶりのマイナス(市場予想は9万人増)となり、一瞬ヒヤッとしたが、失業率が0.2ポイント低下の4.2%(01年2月以来)、賃金が前年比+2.9%(16年12月以来)となった。大型ハリケーンの影響が予想以上に大きかったが、12月利上げシナリオは変わらず、むしろ高まったと見る向きも出た。市場の関心が経済成長率やインフレ率、FRB次期議長人事に向かっていることも影響していると考えられる。
秋の大型連休明けの中国市場は、上海株0.76%高と無難な再開となった。9月30日に中国人民銀行は「中小企業向け融資拡大を条件に預金準備率引き下げ」(国内銀の90%が対象、7000億元規模の流動性供給が見込まれる)、同日の国家統計局発表のPMIは52.4、5年超ぶりの高水準。8日発表の連休中の小売売上高は前年比+10.3%(前年は+10.7%、休みが1日多い。異常に発表が早いので不思議な統計だが)、9月末外貨準備は前月比170億ドル増の3兆1085億ドル。2月がボトムで資本流出抑制策が効いている。18日に開幕する共産党大会を前に、中央紀律検査委員会の全体会議が開催され、5年間で次官級280人、局長級8600人の汚職摘発を報告。習近平、王岐山、李克強の3氏が姿を見せ、混乱を示唆するものは無かった。
小池都知事の支持率が急落している。都内で調査している独立系通信社JX通信社によると、9/23-24の第1回目58%→9/30-10/1の2回目48%→10/7-8の3回目37%。希望の党支持率は前回の29%から18%に低下、自民29%を下回り、立憲民主18%と並んだ。まだ2週間近くあるが、目標としてきた過半数立候補(233人)が実現できないと一段と苦しくなると見られる。都内で勝てないとなると一気に苦しくなる。
神鋼ショック(アルミ部材の品質データ改ざん)は手痛い。JRが影響ないと言っているのは救いだが、納入先200社はわが国の代表的企業。約10年前からとは、リーマン後前後のコストカットのやり過ぎ(現場の手抜き)があるが、団塊の世代の退職が始まった時期でもあり、熟練労働者不足も影響していると思われる。タカタ、東洋ゴム、旭化成、三菱自動車、スズキ、日産自動車などが前科者一覧となっている。米国では、米電気自動車テスラ株が急落している(電動トラック発表を2度目の延期、期待のモデル3生産障害。9日は3.91%安)。
北朝鮮とカタルーニャは様子を見るしかないが、新たに米−トルコが緊張関係(昨年のクーデター未遂事件に絡み、米大使館職員拘束が発端。相互にビザ発給停止)となっている。政治情勢急変リスクを窺いながらの展開となろう。
以上
出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/10/10号)《CS》
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