【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆企業業績期待膨らむ◆

2017年10月15日 09:50

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記事提供元:フィスコ


*09:50JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆企業業績期待膨らむ◆

〇中国依存も、企業業績期待膨らむ〇

昨日のドル建て日経平均は高値を更新、185ドル台に乗せた(終値は1.90ドル高の185.02ドル)。ドル円が112円台の揉み合いに留まっているため、日経平均の上昇にはそれほど力強さはないが、下旬から始まる上期決算への期待感が押し上げていると考えられる。

北朝鮮情勢で何も起こらないことを見極めつつ、押し上げた感があるが、経済統計は良好だった。海外ヘッジファンドなどの関心が高いとされる景気ウォッチャー調査9月は、現状判断指数が51.3、前月比+1.6ポイント、好不調の分かれ目50を9カ月ぶりに上回った。先行き判断指数は0.1ポイント低下の51.0、4ヵ月連続50を上回った。日銀のさくらリポート(地域経済報告)では9地域のうち4地域で景気判断が引き上げられた。東海、関東甲信越、近畿が10年ぶり水準、中国地方は過去最高水準。6日、内閣府が発表した8月景気動向指数が「増税前水準を回復」としたことより強く、「リーマン前水準」を回復しつつある。

8月国際収支統計速報は2兆3804億円の黒字。前年同月比+20.8%、8月として過去最高。企業が海外子会社から受け取る配当金などの「直接投資収益」黒字が7888億円、同+34.8%。企業収益押し上げに直結すると考えられる。国内景気の押し上げも、中国および東南アジア要因(輸出増とインバウンド消費、子会社好調)が大きいと考えられ、中国情勢・北朝鮮情勢を引き続き注意深く見て行く地合いとなろう。

財務省が発表した9月対内対外証券投資で海外勢の日本株売りは1兆5788億円となったが、東証発表の週間投資主体別売買動向で、9月第4週は10週ぶりの買い越し転換(2017億円)となっており、買戻し基調に弾みがついてきつつあると思われる。当面の需給面は良好と考えられる。一歩早く7-9月期決算が始まる米市場では、19年度のネット販売が約40%拡大するとの見通しと2年間で200億ドルの自社株買いを発表したウォールマート株が+4.47%と米株上昇を牽引。企業経営計画への感度が高まろう。

なお、日本時間深夜となったカタルーニャ・プチデモン州首相演説は、独立を宣言しつつも、中央政府交渉(中央政府は拒否しているが)で数週間「凍結」。一気の混乱リスクは免れた。ECB(欧州中央銀行)の資金供給オペで銀行に対し213億ユーロ(市場予想額の6倍、前週は32億ユーロ)の資金供給を行い、安定は金融緩和依存であることも垣間見せたが。ただ、英スコットランドの「民族党」党首がEU離脱条件が明確になれば、独立を問う住民投票を行うと主張した。欧州の「独立」火種は尽きない。


以上

出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/10/11号)《CS》

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