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熊谷組ら、既設の地下構造物を外から補強する新工法を開発
サスペンションシールド工法イメージ図。(画像:熊谷組発表資料より)[写真拡大]
熊谷組、東京地下鉄、鉄道総合技術研究所らは共同で、シールドトンネルなどの既設の地下構造物の変形や変位を抑制するための技術「サスペンションシールド工法」を開発した。
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簡単に説明すると、補強したいシールドトンネルの近くに新しいトンネルを掘り、そこからサスペンションを展開して対象のトンネルを牽引する、というものである。
トンネルという限られた空間しか持たない構造物を内部から補強しようとすると、どうしても空間確保のために様々な問題やトラブルが生じることになる。それに対し、この技術のメリットは、トンネルの内部に何かを構築したりする必要がさほどないので、現時点で供用されているトンネルなどを、運用に支障をきたすことなく補強できる、ということにある。
そもそも、軟弱な地盤などに建設されたトンネルは、地盤の圧密によって鉛直荷重がかかり、縦断方向に長期的な変形が発生する可能性がある。軟弱な地盤でなくても、後から近接構造物が建設された場合などには、やはり同様の問題が生じることがある。
そこで、トンネルを補強する技術が必要とされるわけであるが、前述のように内部からの補強が難しいケースも多々あるため、新たな工法が求められた。そのため、サスペンションシールド工法が考案されたというわけだ。
補強用のシールドトンネルは、基本的には既設地下構造物の上部または側部に新設される。喩えていうならば、地中に吊り橋を構築するようなもの、であるという。
本技術は、現在、共同特許の出願中となっている。また、今後の展望としては、シールドトンネル以外の地下構造物への適用、近接施工の影響の予防などについての検討を行って、潜在する需要を開拓し、都市の地下の様々な構造物を変形や変位から守る技術を確立したいという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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