空飛ぶ車の開発、富士通らが支援 CARTIVATORが2020年の実機完成目指す

2017年9月15日 06:29

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空飛ぶ車「SkyDrive」のイメージ(画像: 富士通の発表資料より)

空飛ぶ車「SkyDrive」のイメージ(画像: 富士通の発表資料より)[写真拡大]

  • 東京拠点となる「TechShop Tokyo」

 日本において空飛ぶ車「SkyDrive」の開発を行っているCARTIVATORが、愛知と東京への開発拠点の設置を決定した。豊田市、富士通、テックショップジャパンからの支援を受けながら両拠点にて開発を進め、東京五輪が開催される2020年の実機お披露目を目指す。

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 豊田市が支援する愛知拠点はメインの開発拠点として、試作機の製作や保管、メンテナンスといった機体開発などを行う。また、東京拠点では、富士通とテックショップジャパンの支援の下、技術開発を促進する重要拠点として部品など試作品を製作していく。定例会や報告会などは両拠点で開催する。

 なお、CARTIVATORはすでに1/1スケール試作機である「SkyDrive SD-01」の設計を固めており、子どもたちがイメージするような「近未来スタイルのクルマ」をテーマにした変形仕様を提案するという。

 具体的には、ドライブモード時は自動車を連想させる四隅にフェンダーが張り出したスタイルになり、飛行モード時は変形したフェンダーがプロペラとなって宙に浮いて活動できるような車の製作を進めていく予定だ。

 空飛ぶ車の開発は、都心部における交通渋滞緩和や災害時の活用のため、海外の大手企業やベンチャー企業も着手している。そのなかには、現時点でもう販売を決めている企業もある。

 スロバキアの企業「AeroMobil」は、9月12日にドイツのフランクフルトで開かれたモーターショーに参加し、空飛ぶ車を出展した。同社と同じ名前を冠すその機体は車の頭がついた飛行機のような姿で、陸上では自動車として走る。

 そして、飛行時になれば折り畳まれた翼を広げ、滑走を経て離陸し、空を飛ぶ。飛行モードへの移行時間は3分以内。飛行試験も実施済みで、これから順次販売を進めていく。

 CARTIVATORは陸空両用で長い滑走路や大きな車庫が要らない世界最小の空飛ぶ車を開発し、2030年に市販化することを将来的な目標としている。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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