JR西日本、「昼間特割きっぷ」を2018年に終了 ICOCAにポイントサービス

2017年9月8日 11:51

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ICOCAカード(画像:JR西日本の発表資料より)

ICOCAカード(画像:JR西日本の発表資料より)[写真拡大]

 西日本旅客鉄道(JR西日本)は7日、京阪神の主要区間で発売している「昼間特割きっぷ」の販売を2018年9月30日で終了すると発表した。終了にあわせて、新たにIC乗車券「ICOCA」のポイント還元サービスを開始する。

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 「昼間特割きっぷ」は、1983年に当時の国鉄が競合する私鉄への対抗策として発売を開始した。京阪神主要駅の相互間で、普通列車に乗車できる6枚つづりの回数券である。JRの場合、例えば「京都~大阪」間の普通運賃は560円だが、本回数券を利用した場合1枚当たり350円で乗車できる(競合する阪急梅田~河原町間の普通運賃は400円)。平日は10時~17時の間に駅に入場している場合に有効であり、土休日・年末年始は終日利用できる。

 JR西日本では、駅の混雑解消や業務省力化につながることから、IC乗車券利用促進策の実施について検討している旨を既にあきらかにしていた。今回、既存の割引回数券の廃止と併せて、IC乗車券「ICOCA」のポイントサービス導入を公式サイトにて正式に表明したことになる。

 ICOCAのポイントサービスは、2018年秋の開始を予定している。事前にポイントサービスの登録がなされたICOCAの利用状況を1カ月単位で集計し、利用の内容に応じてポイントを付与する。付与されたポイントは、チャージすることで、列車の利用や買物に利用できるようになる。

 Suicaをはじめとする、日本鉄道技術協会が制定したサイバネ規格のIC乗車券については、各社独自にポイント還元による利用特典を設定する動きがあったが、ICOCAはこれまで利用に応じた特典を設定していなかった。今回のポイントサービス導入により、利用頻度に応じて事実上の割引が受けられることになる。なお、ポイントサービスの詳細については、後日発表される。

 JR西日本が発行しているIC乗車券「ICOCA」は、7月現在で約1,500万枚発行されている。競合するIC乗車券として関西圏の私鉄等で組織する「スルッとKANSAI協議会」が発行する「PiTaPa(ピタパ)」があり、こちらは約300万枚が発行されている。

 PiTaPaでは既に1社局ごとの利用額・利用回数に応じた割引サービス(利用額割引・利用回数割引)のほか、事前に申込みした区間を月に何度往復しても、定期券相当額以上は徴収されないサービス(区間指定割引)を実施している。割引サービスについては後塵を拝していたJR西日本とICOCAのポイントサービスの詳細発表が、今後注目される。(記事:松村美風・記事一覧を見る

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