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AIスピーカー市場へ参入 オンキヨー、ソニー、パナソニック各社の思惑は?
オンキヨーのGoogle Assistant 搭載AI対応スマートスピーカーG3(写真: オンキヨーの発表資料より)[写真拡大]
ベルリンで開催中のIFA2017にて、オンキヨー、ソニー、パナソニックがAIスピーカーを発表した。搭載する人工知能(AI)は、アマゾンやグーグルのプラットフォームであり、スピーカーの音質に拘った製品を投入する。各社共に、欧米市場から販売を開始する。
●AIスピーカーとは
AIスピーカーとは、AIプラットフォームを搭載したスピーカーである。人間同士が会話をするような感覚で、スピーカーに問い合わせて、サービスを利用できるのが特長である。例えば、音楽再生、ニュースの朗読、質問への回答、ピザの注文、家電の操作などが可能となる新たなコンセプトである。
2014年にアマゾンが創造した。音楽再生以外に、アマゾンの電子書籍を読み上げというアイデアから始まったといわれ、米国で70%のシェアを持つという。グーグルやアップルなどのAIプラットフォーマーが市場参入して現在に至る。
なお、オンキヨーの市場予測では、2017年に1,800万台のスマートスピーカー市場が、2022年には1億6,000万台になるという。
●AIプラットフォームとスピーカーの融合
AIスピーカーは、AIプラットフォームとスピーカーの融合であるが、その捉え方は異なるのであろう。AIプラットフォーマーの立場では、AI能力とそのプラットフォームの採用が収益の源泉であり、AI能力の向上に努める。他方、スピーカーメーカーの立場では、AIでの差別化は困難であり、スピーカー本体の性能向上へと邁進するのであろう。
では、双方の中間的な立場であるデバイス操作に関しては、如何であろうか。現状でも比較的ネットワーク接続されているオーディオ、パソコン、テレビ、電話は、欧米の事例を参考にサービスは展開されるであろう。
他方、現状はネットワーク接続されていない家電の操作に関しては、如何であろうか。この対応を誤れば、AIプラットフォーマーの影響力が大きくなり、日本の家電メーカーにとっては痛手でとなるであろう。また、室内に限れば、既存の電力線を用いた通信(PLC)の活用も捨てがたいのであろうか。
●3社(オンキヨー、ソニー、パナソニック)の対応
3社ともに、独自の工夫で高音質を実現したスピーカーを強みとしている。これは、AIプラットフォームが自社製でないため当然であろう。
【こちらも】オンキヨー、AIに対応したスマートスピーカー開発でSDLに加盟
オンキヨーは、AIプラットフォームでメジャーなアマゾン「Alexa」、グーグル「Google Assistant」、アップル「Siri」に対応した製品を披露。今後のAIプラットフォームの覇者が決まるまでは、主要なプラットフォームをサポートするのであろう。欧米で10月から発売する。
ソニーとパナソニックは、「Google Assistant」に対応した製品を披露した。メジャーなアマゾンを避けてグーグルのみに対応したのは、スピーカー以外に家電製品も扱う両社の思惑か、AI本来の能力に期待したからであろうか。発売は、欧米からのようだ。
なお、パナソニックは5日、「PLCの利用範囲拡大に向け工場や大規模施設におけるIoT活用の実証を開始」という電力線通信のプレスリリースを行った。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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