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小中学校の「不登校」が増加傾向 中学校では1クラスに1人
「不登校」を理由とする全国の児童生徒数は、小中学校ともに増加傾向にあり、中学校では35人に1人の割合で不登校児童生徒がいるという状況だ。少子化により児童生徒数が減少、不登校児童生徒数は増加傾向にあるなか、就学環境改善への期待は高まっている。[写真拡大]
政府主導で働き方改革が推進されている。「働き方改革」について厚生労働省では、女性も男性も、高齢者も若者も、障害や難病のある方も、一人ひとりのニーズにあった、納得のいく働き方の実現を目標としているが、大人の就業環境の改善が進む一方で、将来を担っていく子ども達が日々通う就学環境の改善はなされているのだろうか?
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文部科学省が毎年行っている「学校基本調査」及び「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、平成27年度の長期欠席者(30日以上の欠席者)の内、「不登校」を理由とする全国の児童生徒数は、小学校で27,581人、中学校で98,428人であった。前年の平成26年度と比較すると、小中学校ともに増加している。少子化により児童生徒数が減少している中、不登校児童生徒数は増加傾向にある。
「不登校」とは、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にあること(ただし、病気や経済的理由によるものを除く。)と定義されているが、複雑化した現代においてその境界線は曖昧でグレーだ。全児童生徒数に対する不登校児童生徒数の比率を見ると、平成27年度、小学校では237人に1人、中学校では35人に1人の割合で不登校児童生徒がいるという状況となっており、1クラスに1人不登校が存在する計算だ。
青年期の不登校が内包する諸問題は数多くあるが、そのなかでも懸念されるのは成人期の引きこもりやニートの創出、うつ病などに繋がるきっかけとなる点である。不登校など、社会や周囲との軋轢を抱えたまま学生を卒業し、半強制的に社会へ出ていく若者は多い。そういった人達が社会にうまく適応できず、その才能や能力を活かせないまま、大人の引きこもりになっていく事は本人の幸福度の問題を含め、社会にとって大きな機会損失である。
生産性の向上やQOLの向上など、子どもの就学環境改善は大人の働き方改革と目的はある程度一致する。不登校児ゼロ!など大人の一方的な理想・目標がかえって児童の圧力や負担になってはいないか?と振り返ってみたり、児童が安心して存在することの出来る環境構築、「ただそこに存在して良い」肯定感を得ることなど、将来的に日本を担っていく若者に「圧力」や「焦り」ではなく「余裕」や「安心」を与えることの重要性に再度目を向けた就学環境の改善に期待したい。(編集担当:久保田雄城)
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